六本木の高層ビルが、雨にけぶって薄ぼんやりと見えます。
怠惰な土曜日の午後。PCの前でだらだら~と過ごしています。よく考えたら、ロンドンでも(時間があるときは)そうでした(笑)。こういう時間を至福だと考えてしまうあたり、やっぱり、はまってるよなあ・・・。
さて、はなはだ僭越だとは思うのですが。最近いただくメールに多いのが、小説の書き方に関するご質問です。副業として、マイナーな月刊誌にエッセイを連載してるだけのヘボ字書きに、そんなことを聞かれても・・・って感じですが。でも、わたしの独断と偏見に満ちたこだわりを聞いていただけるのなら、それもいいかな、と思う次第です。
そんなわけで、本日のお題は、お話をつくるコツです。
もちろん一般論ですけど、わたしの脳内では春抱き小説を書く、というのが前提になってます(笑)。
●何を書きたいの?
ふと小説を書こう、と思うきっかけはさまざまですよね。ひとつの場面、台詞、着せたい(脱がせたい)服、行かせたい場所。そういうアイテムが、まずはお話の中心に座るわけですが、問題はその後です。
●プロットなんてコワくない
仮に、「岩城さんにこの台詞を言わせたい」と思いついたとします。それだけではもちろんお話にならないので、今度はなぜそれを言うのか、どういうシチュエーションで言うのか、誰に対して言うのか、どうしたって考えますよね。(実際には、思いついた場面・会話だけ先に書いちゃってもOK。)
それを膨らませて、その台詞(を含めた会話)の前後のシチュを考えます。きっかけがあって、その台詞があって、その効果(結果)がある。・・・と、ここまで漠然と考えたら、それはもう立派に!プロットなんです(笑)。そう、小説の筋立て。おお~v
そう、プロットって、全場面あらかじめプランニングするって意味じゃないんです。そんなの、わたしできません(笑)。
そして、そうやって生まれたプロットは、多くの場合、自然に起・承・転・結になってるハズ、なんです。(もちろん場合によって、起と承がひとつにくっついてたり、転が倒置されて先に来たり、バリエーションはいろいろですが。)
長いので、続きは折りたたみますね。
●起承転結の怪
起承転結って不思議です。実は「転」以外、みんな同じ(似たような話)だって知ってた? たとえば『プレシャス・シート』を、分析してみるとこんな感じです(笑)。
起・・・香藤くんと久しぶりに会えた岩城さん(プレミア上映)
承・・・香藤くんと久しぶりに会えた岩城さん(パーティ)
転・・・香藤くんと久しぶりのえっちに悶える岩城さん(アパート)
結・・・香藤くんと久しぶりに会えた岩城さん(ピロートーク)
ね? え、説得力ない?? ホントだってば(笑)。要するに、こういうことです。
起・・・お話のイントロ
承・・・イントロに追加説明
転・・・絶頂! じゃなくて(爆)、クライマックス
結・・・お話のオチ
で、この「オチ」ってのは、(通常の場合)イントロのテーマに戻るんです。『プレシャス・シート』では、プレミアの場面に(テレビニュースという形で)戻ってますよね。もちろん「戻る」って、まったく同じことを繰り返すわけじゃないけど。
●誰にでも、できます!
というわけで。何を言いたいかというと、「わたし、プロットなんて立てないで思いつくままに書いてるよ~」という作家さんでも。みなさん絶対、頭の片隅にこの「起承転結・プロットもどき」があるんです。あるはず・・・だよね?(笑)
お話の筋道がこうやって漠然と、なんとなくでもできていると、いいことあるんですよ?
そう(笑)。たどり着く先がわかっていれば、「それであんた、結局何が書きたかったわけ?」・・・というキッツ~イ一言を言われにくくなります。
世間のみなさまは本当にお優しいので、「何を言いたいのかわかりませんでした」って感想メールやカキコをする人はほとんど皆無ですが(いないって)。でもね? 人の書いたものを読んでそう思ったことがある人は、自分もそう思われてるかもしれない、と、ふと我が身を省みると・・・オソロシイです、はい。自戒を込めて。
大きなお世話でした!