秋の日の ヴィオロンの

●タイトルは

ポオル・ヴェルレエヌ(←クラシックな表記を真似てみました)の「落葉」という詩から。今日なんとな~く、ふわりと脳裏に浮かんできたので(笑)。

かの天才上田敏の、「海潮音」という訳詩集に掲載された中でも、特に有名な詩です。訳詩・・・といっても、これ自体がすでに日本語として、大変うるわしい名文になっているんですよねえ。うっとり。


「落葉」

秋の日の ヴィオロンの
ためいきの 身にしみて
ひたぶるに うら悲し。

鐘のおとに 胸ふたぎ
色かへて 涙ぐむ
過ぎし日の おもひでや。

げにわれは うらぶれて
こゝかしこ さだめなく
とび散らふ 落葉かな。


原作(もちろんフランス語)も美しいけれど、これもまったく遜色なしです。

「海潮音」は、青空文庫で丸ごと!読めます>> 

上田敏の訳では、カール・ブッセの「山のあなた」も有名ですね。典雅な七五調の日本語で、流れるようなリズム、しっとりした情感。わたしが言うのも偉そうですが、「詩」なんて言葉を聞いただけで、照れて敬遠しちゃう方。どうせ自分にはわからないと、詩人の自己陶酔の世界を嫌う方にも、できるものなら読んでいただきたいなあ。

日本文学の深遠さに、感銘を受けると思います。


●右往左往

してる感じですね、世界中の市場が。

NYダウ、終値も1万ドル割れ 9955.50ドル

Stocks slide despite reassurances

英内閣改造、重鎮を起用 金融危機への対応アピール

ドイツ、個人預金を全額保護 金融危機、深刻さ浮き彫り

ひとことで言えば、マーケットは不安なんでしょうね。

擬人化するのもおかしな話ですが、マーケットはけっこう直感で動く「動物」です。わたしは、そう思ってます。先行きが不透明・・・要するに、毎日どっかで銀行が破綻したり、どっかの政府が危なそうな銀行を救済したり、まだまだ起きるかもしれない。

「底」が見えてないという、これからもっと悪くなるかもしれないという、目に見えない漠然とした「恐怖感」が、世界中の投資家を臆病にさせてるんだと思います。大事なお金を株にして持っていて、これ以上値下がりしたらものすご~く損しちゃうから、今はそういうお金が、主要国家の国債や金などに流れてるんだろうな~。

(金も国債=国家の借用書も、こんなご時勢でも価値の目減りしそうにない、安全な投資アイテムだからです。もちろん安心な分、利回りは悪いんですけどね。)

ただし、いろんな意味でとばっちりは受けているものの、日本の金融機関はまあまあいい状態ですので、とりあえずは心配しなくていいと思います。

なにしろ「世界」金融危機といわれてますし、たしかにそうではあるんですが。でもニュースを見ていればおわかりのとおり、主としてこれは、アメリカとヨーロッパの金融機関を襲っている危機です。(過日お話したとおり、世界中の経済はお金=血液を介して、張り巡らされた血管でつながってますので、無関係ではないですけどね。)

なんで日本の金融機関が比較的、被害が少なくて済んでるのかというと・・・あれ、これって前回、すでにご説明したかも?(苦笑)

重複してたらゴメンナサイ。。。簡単に言っちゃえば、日本の金融機関はバブル景気でひと儲けした後、バブルがはじけて不良債権を抱えて、サイテー最悪の目に遭ったからです。ホント、巨額の不良債権に苦しみ、政府の救済策(税金の投入)によって、やっとやっと!10年にも及んだ暗黒の時代から這い上がり、抜け出し、なんとか健全経営に戻ったところだからです。

ゼロ金利政策、就職氷河期・・・ええ、「ロスト・ジェネレーション」の時代のことですね。

それがもたらした影響は、ここではあえて書きませんが。多かれ少なかれ、わたしたちはその影響、弊害をこうむって来ましたよね(現在進行形)。でも実は金融機関にとっても、できれば思い出したくない、二度と経験したくない時代であろうことは、間違いないんですね。

「羹(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹く」

まさに、日本の金融機関はこんな心境じゃないかと思います。狂乱の不動産バブルでひどい目に遭ったので、アメリカのサブプライム景気(=一種の不動産バブルですよね)が盛り上がってるときも、用心して本格的に参画することがなかった。それが結果的に、今のそこそこ状態に繋がってるのだと思います。

体力がある企業にとっては、今の金融「乱世」は、いわばビジネスチャンス(笑)。日本の一部の金融機関は、金融不安で弱体化した欧米のエリート銀行などに、ここぞとばかり投資を持ちかけたり、ビジネス買収をしたりと、さかんに動いてますよね。

かつて、外資の「ハゲ鷹ファンド」に、日本企業は根こそぎ持っていかれ、安く買い叩かれる・・・って、ずいぶん言われてましたけど。それと本質的には同じことを、今は日本の金融機関が、欧米の企業に仕掛けてるわけです(苦笑)。餌食にされるだけじゃなくて、日本はプレデターにもなり得る、ってことですね。

乱世・・・戦国時代だなあ、ってわたしは思ってます。


【07/10/2008 08:20】 春を抱いていた | Comments (0)
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プロフィール

藤乃めい

Author:藤乃めい
ロンドン在住の自称☆ヘタレ甘々ほもえろ字書き(兼エッセイ&レビュー書き)。別名=ましゅまろんどん。

2008年秋より、出向で六本木に島流し中。

純愛☆官能大河ドラマ『春を抱いていた』をこよなく、果てしなく愛してます(笑)。岩城さん至上主義。寝ても醒めても岩城京介氏のことしか考えられず、日常生活に支障が出ることもしばしば(爆)。・・・いや、マジで。

常に人生破綻の危機に怯えつつ、今日も愛の溢れる純文学☆ほもえろ道の探求に精進してます(笑)。

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