●ありり・・・
裁判員候補者が実名明かし制度反対訴え、批判の声もそうですねえ。。。
とりあえずわたしも、「悪法も法なり」だと思っているので(例外はあるかもしれないけど)、実名(=裁判員のアイデンティティを明らかにする)報道がダメというルールがあるのなら、その範囲内でも反対運動はできるんじゃないか、とは思います。
※「何がなんでも法律を遵守せよ!」というより、わざわざ相手方にツッコミところを与えることはない、という理由からですが。
まあ、それはさておき。
これは非常に個人的な意見ですが、わたし自身はイギリスという、古くから陪審制度がある国に暮らしているせいか(島流し中ですが)、日本でここまで裁判員制度に抵抗があるということに、正直びっくりしています。そうか、そんなにイヤなのか・・・という感じでしょうか。
あ、わたしの場合、意外な反応だなあと思っているだけで、裁判員制度を嫌う人を批判する気持ちは毛頭ありません。ないよ、全然・・・!
問題点は、まず3つあるように思います。
★いつの間にか法律ができて、いつの間にか始まっている
なんというか、国民に新しい義務を課すというのに、国会や専門家の間でちゃんと長い時間をかけて練られ、導入について慎重にシステムが整えられたものなのか、少し疑問ですよね。行き当たりばったりとまでは言わないけど、どうしてそんなに急いで、まだ国民の理解もコンセンサスも十分でない段階で始めちゃうのか・・・?
「国民の義務」というと、納税の義務だとか、義務教育だとか・・・そんなイメージですよね。いずれも日本国憲法の根幹にかかわる、ものすご~く大事な決まりだと思います。
裁判、それも重大な刑事事件の審理に参加しなさい、って言われるのは、それと同じレベルの重みを持つ気がします。それだけの「大事」が、いつの間にか始まってる印象。いいのか、と思いたくもなりますね。
(実際のところ、もう何年も前から準備されているんですが、残念なことに、それでも不十分だったということじゃないかと思います。)
最高裁判所 裁判員制度※これは、最高裁判所の公式サイト。裁判員制度について細かくいろいろと説明してあるので、とても役に立ちます。
★中途半端・・・?
もうひとつは、裁判員制度がシステムとして中途半端だということ。これは、もしかしたらイギリス的視点かもしれません(苦笑)。
裁判に国民を参加させるのならば、いったい何をしてもらうのか、どこまで責任を負ってもらうのか・・・そのあたりが、イマイチ意図不明なんですよね。たとえばイギリスの陪審制度の場合は、彼らの仕事は明確です。
「一般人から見て、被告がその犯罪を犯したと判断できるかどうか」
これだけ!
陪審の「仕事」はつまり、警察官、検察、裁判所が結託して、無実の人や証拠が不十分な人がカンタンに有罪になったりしないように、市民が目を光らせる・・・という意味があるんですよね。
だから、法律や犯罪取り締まりのプロではない、まったくのド素人、それも被告にとっても検察にとっても中立の立場にある第三者をいっぱい連れてきて、証拠を吟味してもらって、「被告が本当にやったのかどうか」を判断してもらうわけです。陪審には、高度な法律判断を求めているわけじゃなくて、「やったかやってないか」という事実認定をしてもらう・・・という理屈ですね。
言い換えれば、検察の出してきた証拠が十分かどうか、それを判断してもらうってこと。(だから、それ以外のこと・・・たとえば量刑とかには、陪審はいっさい関わりません。)
しかして日本の裁判員制度は、まったく建てつけが違うようです。
まず第一に、裁判員は「裁判官と一緒に」審理をするんですってね。プロがその場に居合わせるというだけで、陪審制度が目的とする「一般市民の判断」ではなくなるわけです。(それがイケナイという意味じゃなくて、陪審制度どはちがうねえ、というだけですが。)
で、多数決で有罪か無罪かを決める場合にも、その多数派に裁判官が含まれていることが条件。つまり、裁判員全員が「被告は有罪!」って思ったとしても、一緒にいる裁判官がひとりも同意してくれなかったら、その判断は無効ということになります。
もうひとつ、裁判員は有罪か無罪かを決めるだけじゃなくて、量刑の判断にも参加するみたいですね。イギリスでは、「被告は有罪か無罪か」と、「有罪なら、どの程度の罪刑が適当か」はまったく別の問題だとみなされるので、感覚的に意外な気がします(苦笑)。
※イギリスの制度を模倣しなさい、と言ってるわけじゃないよ! イギリスには何百年という陪審制度の歴史があるけど、日本では市民参加型の司法ってもの自体が珍しいですから。
こちらの感覚では、「その人がやったかどうか」には、一般市民の判断基準が使われるべきだけど、「どのくらいの罰がふさわしいか」は、司法判断というか・・・法律、前例や政策全般に詳しく、更正の可能性やオプションについて明るいプロ(=裁判官)が決めるほうがいいって、そう考えられているんですよね。
そういう要素を総合的に検討した上での、その被告にもっとも適切な量刑判断が、素人にできるのかって考えると・・・これはちょっと、裁判員には荷が重いかなあ、という気がします。
★Are you ready?
最後は、日本の社会そのものが、裁判員制度を受け入れる準備が整っていないこと。
「仕事は休めるのか?」
「給料は?」
「出世や昇給に不利にならないか?」
「子供をどこに預けるのか?」
「誰がその費用を出すのか?」
「介護施設は利用できるのか?」
選ばれた人は、裁判員として重大な責任を負い、精神的にもいろいろな葛藤を強いられる上に、現実的な対応に追われますよね。審理に関わっている間、いわば自分の日常生活がひっくり返ってしまうわけだから、そりゃあ大変でしょう。
このあたり、ちゃんとシステムが整っていない気がしてなりません。
大企業、裁判員制度向け休暇の導入進む大企業でも足並みが揃わないんだから、もっと小さな雇用者には、有給を与えたりする余裕があるとは思えないなあ。まして今、雇用が危うい時期だから、裁判員に選ばれた人はなおさら、不安になるんじゃないかと思います。。。
「準備、準備って、どれだけ時間をかけても結局、足りないって言われるよ~」
知り合いの検察官や裁判官は、口をそろえてそう言います(苦笑)。正直、彼らだって、裁判員制度の導入に積極的なわけじゃないんですよね。でも走り出してしまった以上、彼らには止めることはできないので、今は粛々と準備をするしかないようです。
「裁判員制度は誰のため?」
「本当に、それで裁判がよくなるのか?」
そのあたり、もうちょっとじっくり考える時間があってもいいと思います。
●できないのよ~
何年も前からやらなくちゃと思いつつ、ずっと後回しに・・・!
家計簿は怖くないもう10年以上ずっと一人世帯やってますが、お金に関してはとにかくいい加減です(苦笑)。どんぶり勘定もいいところで、経理の資格を持ってる小鳥さんに、常に呆れられています。
「いまどき、便利なソフトも出てるのに」
「くうう、そ、そうなんだけど~」
「そんなんじゃ、いつまで経ってもお金が貯まらないぞ?」
「ぐ・・・っ」
「今、自分の貯金がどのくらいかわかるか?」
「・・・知らない」
「(爆)」
老後の心配、しなくちゃいけない年齢なんですけどねえ(笑)。
みなさま、おススメの家計簿ソフトがあったら、教えてくらさい。。。