●気温の話は
もういい加減、しないようにしようって、毎日そう誓ってはいるんですけどねえ・・・(笑)。
でも、「ロンドンでは最高気温が19度、最低が11度」なんて聞かされると、急性ホームシックになったりします(笑)。東京では、なんだっけ・・・今日も35度クラス?
もちろんとっても暑いのですが、それでも微妙に(気のせいかもしれませんが)、身体が少しだけこの猛暑に慣れてきたように思います。いや、だから楽になるとか、気分が高揚するとか、そういうことじゃないんですけどね。
寒冷地仕様のわたしですが、それなりに環境に適応してる・・・らしい?(笑)
●本日のグチ
「お昼、鰻食べに行こうよ~」
と誘われて、とても行きたかったけど、結局どうしてもダメでした。
理由はものすごく単純に、外が暑いから(笑)。
「ちょっと・・・そうね、徒歩10分くらい歩くけど、いいかな?」(ニッコリ)
なんて簡単に言われても、答えに窮するだけでした。だって、炎天下の皇居のお堀あたり、丸の内のオフィス街をてくてく歩いて、汗だくになる趣味はわたしにはありません。というか、そんな根性、もうカケラも残ってないです(苦笑)。
(地下通路もありますが、そっちも耐えがたいくらい暑いのです。)
・・・このまま、同僚のお誘いにも乗れない日々が、あと何ヶ月続くのさ?
それを考えると、ため息出ちゃいますね~。
●それにもめげず!
蜃気楼が見えそうな熱にも負けず、歌舞伎座に行って参りました(笑)。

しかし、月に何回通ってるんだろう。。。
お目当て、というか今月いちばんの目玉は、玉三郎が非常なこだわりをもって演じる泉鏡花作品、「海神別荘」と「天守物語」。
あっという間にチケットが完売になった、その人気を見ても、期待の高さが窺えます。もっとも、今月は「スーパー二枚目☆天下の海老ちゃんショー」でもあるので(笑)、異常なスピードで売れたチケットの半分は、海老さま追っかけのお嬢さんたちが買ったのかもしれませんね(笑)。
☆夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)
夏だ!男だ!喧嘩だ!大阪だ!・・・みたいなノリの、義太夫狂言(笑)。
ストーリーは・・・あんまりにも複雑で、簡単な説明が難しいので、ご興味がおありでしたら検索してください(笑)。とても面白い、歌舞伎の楽しさがぎゅっと詰まってるお話です。
喧嘩っ早くて前科者だけど、義理人情に厚いカッコいいワルに、海老蔵。いなせで義理堅くて、そりゃもうカッコいい・・・って、なんというか、関西のお話なのに江戸っ子っぽいですね(笑)。彼のキャラにぴったりの、非常にセクシーなちょい悪です。
(ラストの殺人シーンでは、真っ赤な下帯オンリーで大立ち回り。・・・なんか、いいモノを見せてもらった気分だったりして。海老さまファンは、悶絶するかもね~。)
メインの役者さんたちがほとんど関東の人たちなので、ときどき言葉がアヤシイですが、まあ、それはご愛嬌ですね。獅童も、笑也も、春猿もいる、華やかな舞台でした。(特に笑也さんは、最近ほとんど見かけなかったので、元気そうで嬉しかったです。)
特筆すべきは、勘太郎ちゃんかなあ(笑)。美人で色っぽくて健気で、でもきっぷのいい、男まさりの人妻の役を、実にうまく、洒脱に演じてました。演技の呼吸、ふっと力を抜く軽妙な味、それから声が、もうお父さんそっくり・・・!
こんな芸達者な息子がいるなんて、中村家は安泰だなあ。。。
☆天守物語(てんしゅものがたり)
言わずと知れた、泉鏡花の戯曲の代表作(だと、わたしは思ってますが、違うかな?)。
白鷺城(姫路城)の天守閣に棲む美貌の姫君(富姫=玉三郎)と、訳あってそこに迷い込んだ若くて純粋な侍(図書之助=海老蔵)の恋物語。

もちろん、姫君というのは異形の世界に属していて、下界に住む人間のことなんて、それまでバカにしていたのですが、美貌の若者の清々しさにひと目ぼれ(笑)。かなり積極的で、ストレートな慕情の表現がむしろ新鮮でした。(ある意味、素直で可愛いかも?)
実はこのお芝居、ずっと前から、一度ライブで見てみたかった作品でした。
大好きな泉鏡花、大好きな(妖気漂う)玉三郎、大好き?かもしれない海老蔵。・・・この取り合わせで、見なかったら後悔するだろうなあ、って思えたので、行って良かった。
とにかく幻想的、幻惑的、蠱惑的。
ファンタジーのようでもあり、寓話でもあり、ホラーでもあり、社会批判でもあり、古典的ロマンスでもあり。ここまで唯美的な歌舞伎ってのも、めったにないと思います(笑)。
(難解だとか、内容が一貫してないとか、いろいろ批判する人もいるようですが、少女マンガを愛する人なら、たぶん何の違和感もないと思います。)
もしアナタが木原敏江さんのファンだったら・・・いや、泣いて喜ぶでしょうね☆
で、玉三郎は凄かった。スゴイ、としか言えません。この人にとっては、舞台の上の虚構のお城の天守閣こそが、本当に心落ちつけられる住処なんじゃないの、って思えるほど。幽玄、妖美を体現してるんですもの。。。
それでは、また。