●今日は
暑かったですね・・・(汗)。
「夏だよ、おい~」
(あたりまえ!)
日差しの強さに、空気の暑さにくらくら。
神様、お願いです。
これ以上もう、あんまり暑くしないでください。。。
●野菜のバリエーション
今さらなんですけど、このごろのお野菜。
ごくごく一般的なレタスや、トマトや、じゃがいもなど、なんでもいいんですけど、種類がものすごく増えてますよね?
種類というより、もしかしたら、単にブランド化・差別化なのかもしれませんけど。
たとえば、トマト。
ミディトマト、桃子、リコピンとまと、アイコ、シシリアンルージュ。
麗夏とか、フルティカとか、マイクロトマトとか。
桃太郎なんて、もはや古典的ですよね。
・・・品種名なのか、サイズで分けてるだけなのか、農園ごとのブランドなのか、わかりません(汗)。
フツーの地元のスーパーでも5種類、6種類もあって、迷いますよねえ。
これは調理用だとか、書いてあればいいんだけど、そうじゃないケースもしばしば。
同じ現象が、レタスや玉ねぎ、ジャガイモでも起きていて、ときどき困惑します(笑)。
あ、お米もそうですよね。
品種改良がさかんで、毎年あたらしい商品が誕生してる。
イチゴみたいに、だいたい県ごとにブランド化されてるものは、まだわかりやすいほう。
目新しいもの、付加価値のあるものを提供しようとしてる?
消費者の多様なニーズに応えようとしてる?
いろいろ試してみるのも楽しいけど、たまに、
「いや・・・おいしければ、なんでもいいんだけど?」
なんてね、ふと、投げやりな気持ちになります(汗)。
選ぶのは楽しい。
でも、ときに、しんどいです・・・(苦笑)。
●簡単ですが
先日の、大歌舞伎七月公演の感想のつづきなど。
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/shinbashi/2012/07/post_44-ProgramAndCast.html市川猿之助の襲名披露公演です。
もと、市川亀治郎ね。
わたしたちが観に行ったのは午後の部で、演目は3本、プラス口上。
最初のお芝居、「将軍江戸を去る」については、こちらで>>
http://kyosukelove.blog58.fc2.com/blog-entry-2341.html中車(香川照之)の熱演、でした。
彼がいわゆる歌舞伎のお芝居をやるようになるには、まだ何年もかかるんでしょう。
40年のハンディがあるわけですので、少しずつ、稽古を重ねて行くのだろうと思います。
というか、期待します。
次の演目は・・・あは、演目じゃないですね(汗)。
☆口上
こうじょう、というのは役者さんの(素の)ご挨拶です。
襲名披露だとか、あるいは新しい劇場のこけら落としだとか。
そういう晴れがましい、特別な舞台で行われる、伝統的なご挨拶。
素の・・・といっても顔は塗ってるし、紋付の裃(かみしも)の正装ですよ。
座る、しゃべる順序にも厳密な序列があって、なかなか面白い見ものであります。
口上はめったにあるわけじゃないから、それを狙って、わざわざそれがある月の、それがある部の公演を観に行く人も多いでしょう。
(たとえば口上が昼の部にある場合、夜の部にはない・・・なんてことも多いので。)
まず最初に口を開くのは、もっとも序列が上の役者さんです。
必ず、中央(寄り)に座るならわし。
今回の公演ではもちろん、市川団十郎です。
「皆みなさまにおかれましては・・・」
ご尊顔を拝し奉り、恐悦至極に存じます・・・という感じで、まずは客席に深々とご挨拶。
(話している役者さんが頭を下げるとき、列席の他の役者も同じくひれ伏します。)
このたび、亀治郎が猿之助を襲名することになった経緯。
猿之助という名跡の説明や、(つい先月まで猿之助だった)猿翁との共演の思い出。
・・・などを、若干のアドリブ?まじりで話します。
時には、くすりと笑えるネタを披露したりもね(笑)。
あたりまえといえばあたりまえですが、この座長の話が面白いかどうかは、「距離感」次第。
つまり、その人が、紹介されている人物とどのくらい親しいかで、紹介内容が違ってくるんですよね。
団十郎の場合は、亀治郎を連れてパリ公演などを経験しているせいか、その辺のネタは豊富でした(笑)。
そつのない、貫禄のある口上だったと思います。
次に、市川海老蔵。
この花形役者がゆるゆると顔をあげ、まずは名乗りをあげるだけで、客席がわっと湧きます。
・・・ホント、やなやつ(笑)。
彼の話は(座長ほど長くはない)、なかなかよかったと思います。
ここまでが、「紹介者」サイド。
場合によっては、口上って、役者が10人くらいずらっと並ぶこともあるんですよね。
そういうのに比べちゃうと、ちょっとさびしい感じがしたかなあ。
で、ここでやっと、紹介される側の挨拶が始まります。
猿之助(亀治郎)がまず朗々と心境を語り、抱負を述べます。
言葉はもちろん謙虚ですが、なんだろう、自信と希望に満ちている感じ。
堂々たる振る舞いと若さが同居して、立派な口上だったと思います。
次に、中車ね。
彼は立場が特殊なので、あくまで慎重な、控えめなご挨拶。
今の段階では、これから精進します、としか言いようがないですものね。
最後に、ちょっとだけですが、団子(だんこ)ちゃん。
初舞台を迎えた、中車の息子です。
澄んだボーイソプラノで、よく声が出ていました(笑)。
そのあとはまた団十郎が引き取って、ずずずい~っと!・・・で締めます。
あまり形式ばらない、素直な口上だった・・・かな。
これを観に行ったようなものなので、楽しかったです(笑)。
しまった・・・口上だけで、こんなに書いちゃった(爆)。
あとは、なるべく、簡単に・・・!
☆黒塚(くろづか)
初代猿翁がつくり、今の猿翁が育てた舞踊劇を、新・猿之助がつとめました。
安達が原の老女(鬼女)と、そこを通りかかった旅の僧の物語。
恐ろしくもあり、哀しくもあり、おかしくもある、始めて見ましたが、とてもよい出し物でした。
なにしろ、亀治郎自身がいうとおり、曲がものすごく良い。
それから舞台セットがものすごく良い。
嫋嫋たる月夜と、どこまでも続く芒が原ですよ。
衣装も、大変によかった。
実を言うと、亀治郎の芝居というものを、今までまともに見たことがなかったのです。
特に興味のない役者さん、というくくりで・・・ご縁がなかった。
今回、猿翁見たさ、中車見たさで、やっと出かけたという感じです(笑)。
だから「黒塚」も、よく知らずに観たんですよね。
で・・・圧倒されました。
素顔の亀治郎に、これまであんまり、オーラを感じたことがなかったんですけど(ごめんなさい)。
(NHKの「にほんごであそぼ」で、何度か見た程度。)
でも、いやあ、実にいい役者さんでした。
まだ若いのに、凄いものです。
自信に満ちた舞台での存在感と、身のキレと、それから、素晴らしい美声ね。
「上手いじゃんか・・・!」
若くして猿之助を襲名する理由が、「黒塚」の老婆を見ていてわかりました。
あくまで亀治郎なんだけど、でも恐ろしく、猿翁の面影がある。
納得の出来栄えです。
☆楼門五三桐
これで、「さんもんごさんのきり」と読みます。
有名なお芝居ですが、ここでは、ご祝儀相場と言っておきましょう(笑)。
猿翁(先月まで猿之助)が、病気をおして、久しぶりに舞台に立つというので、話題になっています。
絢爛豪華な春の京都、南禅寺の楼門が舞台。
華やかで、にぎにぎしくて、いかにも歌舞伎的。
錦絵のような、お祝いに相応しい一幕です。
ほぼワンシーンしかなくて、せいぜい10分、15分ほどの演目なんですけどね。
楼門の上には、
「絶景かな、絶景かな」
と豪快にかまえ、煙管をふかす五右衛門(海老蔵)。
門の下には、五右衛門の敵役(ということになっている、もっとほかの事情あり)の真柴久吉。
これが、猿翁です。
セリフは、ひとつだけ。
・・・正直、やっぱりね、まともに呂律が回ってないんですよ。
めちゃくちゃ有名なセリフなので、観客は知ってるわけですが、そうじゃなかったら、まともに聞き取れないかもしれない。
でも、きっと、あれはあれ、なんだと思います。
それでもいい、というか。
花の盛りで病に倒れ、舞台の外のスキャンダルあれこれもあって、もうずっと、過去の人だった猿翁。
あふれるほどの才能とバイタリティを持ちながら、車椅子の生活を強いられてきた。
病気の後遺症で身体が動かず、もう二度と、ファンの前に姿を現さないだろうと思われてました。
その彼が衣装をつけ、顔をつくって、舞台に登場する。
セリフはおぼつかないけど、しっかり客席をにらんで。
後ろから、黒子をつとめる実の息子=中車に支えられて。
そんな様子を、痛々しいと思わないでもないけど、きっと、本人は違うんだと思うなあ。
もう一度、もう一度でいいから舞台に立ちたい、立ってやる。
舞台の中央で観客の喝采を浴びてやる。
そういう執念を持ち続けた猿之助(今は猿翁)に、なんというか、脱帽です。
しょうがない役者だなあと思いつつ、でもどこか、感無量でね。
「舞台の上の猿翁を観る、これが見納めになるかもしれない」
そう思って、今月の歌舞伎を見る人は多いと思います。
小鳥さんとわたしも、それが理由だった。
だけど、ひょっとしたら猿翁自身は、そんなセンチメンタリズムは持ち合わせていないかも(笑)。
なにしろ、自分がジジイ=翁だという自覚すら、ないような人ですから。
今回の、満場の観客の拍手を受けて、ご本人だけは、次の芝居を企画中かもしれません。
「まだまだ行ける!」
・・・「引き際」なんか知らない。
そのほうが、彼らしい気すらするから不思議です(笑)。
・・・以上、長くなってすみません・・・(汗)。
おしまい。