●たくさんの
お年賀メール、コメント、拍手、いつも本当にありがとうございます。
しばらくお返事をさぼっていたので(汗)、お礼が追いつかなくてごめんなさい。
いつも大事に、何よりも嬉しく拝見しています。
お世辞ではなく、本当に心の励みです。
わざわざ時間と手間をかけて、なにか言葉をかけてくださるのがありがたい。
感謝しています。
●ご存知のとおり
わたしはNHK紅白歌合戦を、もう何年も見ていません。
正直にいうと、あんまり好きではないのですね。
いや・・・別に嫌いじゃないけど、何て言うんでしょう。
なんかムズムズと気恥ずかしい番組だなあ、って思うんですよね。
もはや本来の存在意義を失った、絶望的に時代遅れのプラットフォームだから、という感じでしょうか。
必ずしも「今年もっとも流行った/売れた歌」の祭典、でもない。
「今もっとも旬な歌手」のいちばんの晴れ舞台、でもない。
「後世にまでずっと歌い継ぎたい名曲」のコレクション、でもない。
―――売れてない人も、上手くない人も、変な歌で出る人も、大勢いますものね。
ある意味、「NHKへの貢献度」が出場基準なんじゃないか、と思うほど。
なにより、「紅組」と「白組」が「対戦」して勝負を争う、というフォーマットがイタイ(笑)。
「合戦」という側面がこれだけ見事に形骸化しているのに、なんでこの見せかけのスタイルに、今でも固執するんでしょうね・・・?
他に代わりがないから・・・?
一部のコア視聴者が変化を望まないから・・・?
特に近年は、みんな歌でたのしく繋がろう、みたいなゆる~いコンセプトが主流。
※それ自体はいいことだと思います。
そういう意図なら余計に、「勝負」の側面は・・・浮きますよね。
違和感、ありあり。
誰にとってもどうでもいいなら、「勝ち負け」に誰もこだわっていないなら、止めればいいのになあ。
普通に、歌謡ショーのほうがずっとすっきりすると思うけど。
―――などと、もうずっと長いこと、そう思っている気がします(笑)。
ぼんやり、そう思うだけですが。
「まあまあ、そうはいっても、日本の大晦日といえば紅白なんだから」
「(似てるけど)別の番組にしてしまったら、今ほどの視聴率は取れないと思う」
「そんなクソ真面目に考えずに、あんなもん、テキトーに聞き流してればいいのよ」
って、たいていは言われますけどね(苦笑)。
「要するにそれって、昔の紅白はよかった、ってことでは?」
という指摘は、うむむ、そうかもしれない(汗)。
確かにかつて、紅白こそが究極の「ザ・今年のヒット歌謡曲」だった時代もあったんですよね。
(たぶん、レコード大賞にも、ホントに意味があった時代。)
究極のハレの日、というか。
紅白に出ることが、一流/超売れっ子の証し、みたいな時代。
いつから、そういう特別感がなくなったんでしょうね。
夢から覚めたような・・・?
―――それともこれって、わたしがつまらない人間になった、ってこと・・・?
●とはいえ、さて
今回の紅白で話題になった、アレは気になりました。
そうです、美輪明宏さんの「ヨイトマケの唄」。
一度も聴いたことがなく、内容すら知らなかったのですが、放送直後からネットでも大騒ぎ。
「とにかく凄かった!」
と聞いたので、動画を探したら・・・ありました。
(どこの動画サイトにも複数アップされているようです。NHKの削除依頼が来るまでは、少なくとも。)
初めて聞きましたけど、凄かったですね。
たった5分ちょっとの、ひとりミュージカルみたい。
(有名人なのに)今まで、テレビなどで動いている姿すら一度も見た事がなかったので、衝撃的でした。
異質といえばものすごく異質、でも、いい意味で。
紅白の会場がシーンと静まり返って、すすり泣きすら聞こえてくるようでした。
こんなに凄い歌手だったのね、と今さらながら。
それにしても、この歌が長いこと民放で放送禁止だった・・・というのもびっくり。
(有名な話なので、わたし以外の方はたいがいご存知かもしれませんが、もし初耳でしたら、ウィキなどで調べると詳しい事情がわかります。)
「差別用語」といっても、いろいろあって。
悲しみと憎しみしか産まない、口にすること自体が差別を助長してしまう表現も、あるのだとは思いますけど。
でも、差別言葉というのは、心の問題でしょう。
ある言葉を、差別の意図をもって使用するか否かで、伝わるメッセージはガラリと変わる。
たとえば「チビ」とか、「ホモ」とかいう言葉。
話し手の意図次第で、たしかに残酷な、ひどく人を傷つける言葉にもなる。
だけど言い方次第、受け取る人との関係次第では、愛情のこもった親しみの表現にもなりますよね。
この「ヨイトマケの唄」に出て来る「土方」という言葉も、そう・・・じゃないかなあ。
(今気づきましたけど、MS-IMEでは変換できないのね!)
そういう言葉がかつて普通に使われていて、虐めの原因にもなったという事実。
その歴史的(今でも?)事実は消せないし、この歌はその悲しみと理不尽さを訴えるもので、どう聞いても差別の意図はない。
差別じゃないどころか、そういう人たちの誇りや気高さ、愛情深さを描いていますよね。
「親が土方でなにが悪い!」
と言い返す強さすら、感じさせる曲だと思います。
美輪さんがどれほどの敬意をもってこの歌を歌ってるのかは、見ればすぐわかるのに。
なんでもかんでも、トラブルになりそうな言葉を片っ端から排除すればいいってもんじゃない。
安易な言葉狩りって、恐ろしいですね。
●もうひとつ
別次元の話なんですけど、やっぱり紅白。
(結局は気になってるんじゃないか、というツッコミはなしで!)
一年限定で再結成したプリプリのラストという「Diamonds」も、動画サイトで見ました。
ファンだったわけじゃないけど、この曲、ホントに売れたもんなあ。
あの頃の(純情だった?)わたしは、
♪いくつも恋して 順序も覚えて キスもうまくなったけど♪
という歌詞に、けっこう衝撃を受けた・・・のを、今回ひさしぶりに聞いて思い出しました。
何が衝撃だったのか・・・?
というと、今になって思うとアレですが、
「女性がいかにもポジティブに、実にあっけらかんと、けっこうな恋愛遍歴があることを肯定してるから」
・・・なんだよね・・・(笑)。
女性のリアリティ、とでもいうのかな。
一部の男性の抱くいわゆる過剰な「処女崇拝」なんか、アホくさいですが。
でも、女性の立場で歌うラブソングって、やや古めかしい印象ですが、
「貴方が好き。貴方だけが好き。一生ずっと貴方といたい」
・・・というタイプがほとんど、じゃない?(笑)
一途でけなげで、男性経験なんかあるわけないでしょ、って顔をするのがデフォ。
(演歌だともっとすごくて、「貴方にこの命を捧げます」でしょう?)
そこに、
「そりゃ大人のイイ女だもん、それなりに交際経験があって当然じゃないの♪」
という(あたりまえの)リアルな女性の本音。
その明るさと、なのに「初めて電話するときはキンチョーするよね」という乙女心。
―――ああ、これはもう、女性が書いた歌詞でしかあり得ないなあ。
と、かつて、妙に感心したのを覚えています(笑)。
要は、新鮮だったのね。
「経験豊富だけど、気分はいつだって初恋の乙女よ♪」
という(ご都合主義の)(だけど実感のこもった)感覚って、男性の作詞家には決して書けないだろうから。
その彼女たちの最後のステージも、相変わらず明るかった。
無理な若づくりはせず、威勢のいい、実にカッコいいおばちゃん達に見えました。
あっけらかんとした自己肯定感は、あの頃のまま。
「すげー・・・!」
全盛期よりも、今のほうが凄いかも。