●本日も
晴天なり・・・(汗)。
梅雨はどこに行ったのか、毎日しんどい暑さですね。
みなさま、お元気でおすごしでしょうか。
メールやコメントをくださった大勢の方、本当にありがとうございます。
お礼やお返事が(例によって)遅くなってごめんなさい。
なかなか、気力・集中力が続かなくって・・・バテ気味なのです。
ホントに、ひとまずひと言だけ>>
Sさま(西)、コメントありがとうございます!!
こちらこそ、本当にずいぶん長らくご無沙汰してしまって・・・ごめんなさい。
BL論は、個人のこだわりがモロに出ちゃうと思っています。
それだけに、同感だと仰っていただけて本当に!うれしかったです。
Sさま(東)、コメントありがとうございます。
「繋がる息苦しさ」を感じている若者、と書くとなんだか不幸な?イメージですが。
でも、自分の好きなこと、やりたいことがわかっているお嬢さんは凄い。
なにかを選択するということは、何かを捨てる覚悟をする、ということ。
多くの人は、そこまではっきり取捨選択をする勇気がない、というか怖いんですよね。
だからこそ、みんなと一緒=多数派の流れに乗ることで、安心を得たいのでしょう。
Kさま、お江戸(周辺)にいらっしゃるんですね!
歌舞伎座はホント、絶対に訪れる価値があります(笑)。
しかも、菊之助とお染ちゃんの「四谷怪談」・・・チョイスも素晴らしい。
きっときっと、楽しんでいただけると思います。
どこかでちょっと、お茶でもできるといいですね♪
●時分の花
という言葉を、久々に思い出しました。
6月9日、わたしたちは再び歌舞伎座へ。
歌舞伎座「柿葺落六月大歌舞伎」開幕「時分の花」というのは、もともとは世阿弥の残したコンセプトです。
花、それも大輪の花。
今を盛りと咲き誇る、今でなければ見られない旬の花。
江戸いちばんの絢爛豪華な花は、もちろん、海老蔵でした(笑)。
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/2013/06/post_57.htmlそうです、かの「助六」。
生きていれば團十郎がやったはずの大役を、残された息子、若き海老蔵が担っています。
なにしろ、新しい歌舞伎座のこけら落とし公演。
そして、目玉演目のひとつ、江戸歌舞伎の究極のスペクタクル「助六」。
成田屋がやってこそ、のお芝居です。
團十郎が主役の予定だったこともあり、配役はこれ以上ないほどの豪華版。
脇役で人間国宝が何人も登場する、贅沢できらきらしいお芝居です。
「なんてタイミング・・・」
團十郎が亡くなったとき、不謹慎にも、ちらりと脳裏をかすめたこと。
断じて、決して、間違ってもそれを望んでいたわけではありませんが、でも、しかし。
「息子のために、最高のお膳立てをして去っていったみたいじゃないか・・・」
つまり、もうちょっと長く元気でいてくれたら。
あたりまえですが、それなら團十郎が助六でした。
それはそれで、たしかに、歌舞伎座のこけら落としに相応しい芝居であったことでしょう。
そこに意外性はなかった、とは思うけどね。
(團ちゃんは、歌舞伎座さよなら公演でも助六をやってるから。)
じゃあもし彼がもうちょっと早く、つまり勘ちゃんと似たようなタイミングで、亡くなっていたら?
(未だに思うけど、勘ちゃんの死だけは本当に許せん。あり得ない。)
こけら落としの演目が発表になる前の逝去だったら、「助六」自体が、宙に浮いたかもしれない。
なにしろ現在、助六ができる役者って、團十郎のほかには海老蔵と仁左衛門しかいないのです。
「海老蔵では若すぎる」
(普段の公演なら問題ないけど、こけら落としの舞台には、という意味。)
「仁左衛門に、江戸歌舞伎の代表になってもらうの?」
(普段ならこれも全然OKなんですが、やはり歌舞伎座新開場の「最初の助六」を成田屋以外の人間、それも関西出身の役者さんがつとめるってのは・・・?)
でも、「助六」をやらない、ってのも考えられない。
だから想像だけど、(一年つづく)こけら落とし公演の出だし(4月~6月)ではなく、もっと後のタイミングで、海老蔵主演で上演されたんじゃないかなあ、と思います。
・・・とまあ、これは想像でしかありませんが。
何が言いたいのか、というと。
今この六月に、海老蔵の「助六」が見られるのは奇跡的だ、ということ。
あと何年か若い海老蔵なら、この役は(たとえ父親の代役でも)回って来なかった気がするから、余計に。
いろんな意味で、絶妙のタイミング。
それが彼にとって幸せかどうかはともかく、そういう星のめぐり合わせなのでしょう。
新開場の歌舞伎座のぴかぴかの舞台に、最初に登場する助六。
それを演じるのが成田屋の若き後継者だ、というのが泣かせます。
(どっちかっていうと、感涙の類ね。)
海老蔵は30代半ばですが、歌舞伎の世界ではまだ「若造」。
本来なら、到底及びではないはずなのにね。
えっと、さて(汗)。
・・・やたら長くて、ごめんなさい(汗)。
助六、助六と騒いでますが、この役はどんな役なのか?
というと、要は若くてお洒落で女にもてまくる、江戸いちばんの伊達男、なのです(笑)。
誰よりもカッコよくって喧嘩っ早くて、江戸いちばんの美女が恋人。
(吉原の花魁ナンバーワンってのは、まあ遊女ではありますが、当時の感覚では憧れの芸能人、才色兼備の人気スターみたいな感じだったようです。)
とにかく、カッコいいのが正義の助六。
いきがったガキみたいな部分もありますが、実は、父親の仇討ちを志す孝行息子でもある。
「海老蔵、絶対にサイコーにカッコいいと思うよ!」
ええ、観に行く前から、それは知っていました(笑)。
(年配の)名優の演技も素晴らしいけど、若い役者には花があります。
※若けりゃいいってもんではないですよ?
時分の花、今そのときの旬の輝き。
どんな名優であっても、本物の若者の放つ若い生命力は真似できないものね。
海老蔵はいうまでもなく、それを十二分に持ってる役者です。
そして助六ってのは、時分の花を満開に咲かせた江戸きっての色男。
若さゆえの傲慢さや軽率さをも含めて、魅力・・・なんですよね。
だから海老蔵=助六で、上手くいかないわけがない。
・・・とは、思ってました。
だからこそ、チケット買ったわけですし。
実は今日、『春抱き』仲間のMさんとTさんも、歌舞伎座に駆けつけて来ました(笑)。
(『春抱き』仲間ですが、この頃は歌舞伎大好きな同志でもあります。)
もちろん、「助六」の幕見席チケット狙いです。
「海老蔵の助六、見たいもん!」
お目当てはみんな、同じなのさ。。。

で、海老蔵。
助六はもうね、演出からなにからカッコよくってあたりまえ!(笑)
・・・なんだけど、それでも。
颯爽と花道から登場して、最初に姿を見たとたんに、ため息が漏れました。
わたしたちだけじゃなくて、満員の歌舞伎座全体から。
声にならない、音に聞こえない黄色い悲鳴が、聞こえた気がしました(笑)。
「うわ・・・!!」
かっこいい、なんてもんじゃない。
すらりとした長身と、しなやかな身のこなし。
色っぽい眼差しに、鋭角な顔と身体のライン。
なんつうかもうね、全身キラキラ光ってましたよ、ホント。
水もしたたる伊達男ぶりに、舞台の上の花魁たちがあま~い声をかけますが、わかるなあ(笑)。
「すげえ・・・!」
むやみにカッコつけるところも、女にちやほやされてニヤけるところも。
諫言にすねるところも、母親に叱られてしゅんとへこむところも。
海老蔵=助六が見事にシンクロして、なんとも言えない魅力的な舞台になっていました。
菊五郎さん、吉右衛門さん、左團次さん、福助などなど。
周囲がベテランばっかりで、がっちり海老ちゃんを支えてるってのもありますけどね。
今しか見られない、奇跡の舞台です。
海老蔵はこれからも何度も助六をやって、もっともっとうまくなるでしょう。
きっと七年後には團十郎を襲名して、堂々たる助六を演じることでしょう。
でも、未だわずかに青年らしい線の細さを残す、気張りすぎてときどき声がひっくり返る(せっかくの美声なのに!)、緊張気味のこの若々しい助六は、今しか見られない。
これを逃したら、本当にもったいない(笑)。
助六は、何度も見ました。
もちろん團十郎でも見てるし、孝夫ちゃんの襲名披露のも見てる。
数年前、南座でやった仁左衛門の助六は、今でもサイコーの舞台だったと思います。
だけど、役者本人の持つ若さと勢いがそのまま魅力になる助六・・・?
そんなの、めったに見られるもんじゃない。
いつ見るの?
今でしょ!
・・・などと、さむいジョークを・・・(言ってたのは三津五郎さん)。
海老蔵の時分の花、満開です。
ぜひ、お見逃しなきように。。。
蛇足>>
若い、若いと連呼してますが、一応。
海老蔵は実際に、うまい役者さんですよ(笑)。
おそらく11代目もかくあったろうと思わせる、天性のスター性を持った役者です。
決して、姿かたちだけで「カッコいい」と言ってるわけではありません。
念のために、そうつけ加えておきます(苦笑)。