●このごろ
立て続けに
テロリズムのニュース。

トルコ、フランス、
ベルギー。
ほとんど連日ですよね。
いちいちニュースにもならないほど頻繁に、中東や他の地域でも。
繁華街での無差別
テロ。
ソフトターゲットを狙った、予告なしの自爆
テロ。
ああいうのを見ていると、本当にどうしようもなくやるせない気持ちになります。
正直、当局がどれだけ警戒しても、完全には防ぎようがない。
自衛しようにも、避けようがない。

特に、
ブリュッセルの連続
テロには衝撃を受けました。
個人的に好きな街だから。
もう10年ほど前(もっとかも)になると思いますが、しばらく赴任していました。
ほどほどに猥雑で、ときどきとてつもなく美しく、たまに田舎くさい。
適度に都会で、それなりにオシャレで、でもなんとなくまとまりがない。
不思議な街です。
※記事に添えた画像はすべて
ブリュッセルで撮影したもの。
EUやNATOの本拠地で、ある意味で超がつくほどインターナショナルな都市。
・・・のはずなのですが、なんというか、垢抜けてないんだよなあ。
悪口みたいですが、悪意でいうわけではありません。
ヨーロッパの中規模都市っぽい。
いろんな意味で。
頑なに
ベルギー的・・・って書こうとしたけど、ちょっと待て。
それはどうなのかな。

ご存じかもしれませんが、
ベルギーは大きくふたつの地域に分けられます。
北のフラマン語圏(ほぼオランダ語)と、南のワロン地方(フランス語圏)。
※ほかにも公用語がありますが、ここでは省略。
このふたつの言語・文化圏どうしが、まあ、仲が悪いのよね。
理由は歴史とか、経済とか、いろいろです。
で、首都である
ブリュッセルは、いってみれば “中立エリア”。
北と南の緩衝地帯として機能している。
フラマンでもワロンでもあり、どっちでもないようでもあり。
特殊すぎて、微妙ですね。
※地理でいえば、
ブリュッセル自体はフラマン語圏に位置しますけど。
つまり、なにがいいたいかっていうと、
ブリュッセルのあれこれを、「
ベルギー的」といっていいのかどうか?
・・・となると、正直わかりません。
首都は特殊だから。
「
ベルギーあるある」
ネタのひとつですが、他国人のおかしやすいミスといえば、
「フランス語圏の人にオランダ語で話かける、またはその逆」
です。
フラマン語圏にいるならオランダ語で、ワロンにいるならフランス語で話せばいい。
(ちなみに、観光客に人気のブリュージュやアントワープはどちらもフラマン語圏。オランダ語でどうぞ。)
・・・ってのはわかりやすいけど、
ブリュッセルだと困ります。
迷います。
相手がどっちの言語圏の人なのか、見ただけではわかりませんものね。
もっとも、彼らだってバカじゃない。
外国人に自分たちの言語以外で話しかけられて、本気でむっとする人なんかいない!
・・・といいたいけど、まれにいるからなあ。
めったにないけど。
そういうとき、だいたいは英語で答えが返ってきます。
ブリュッセルでは特にそう。
ヘタクソなフランス語やオランダ語でもたもたしてると、たいていは
「英語でいいよ」
的なことをいわれます。
(誰でも英語ができるとはいいませんが、ある程度はできる確率は高い。)
なら、最初から英語で話しかければいいじゃん!
って話なのですが、そのあたりは個人の考え次第かも。
はじめっから英語で押し通すのもありだし、
「いやいや、たとえヘタクソでも、さわりぐらいは現地の言葉で・・・」
って考えるひともいますものね。
どっちがいいか、簡単にはいえません。
どの言語もまんべんなく上手くしゃべれたらいいけど、それは少しハードルが高い。
・・・ねえ。

ああ、脱線してました。
国際的な都市の密集地での無差別
テロの話。
わたし自身、近いところで
ロンドンの同時多発
テロ(2005)を体験しました。
あれはアルカイダがらみ。
でもそれよりずっと前から、
ロンドンはこの手のテロのターゲットでした。
IRA(アイルランド共和軍)。
今ではすっかり鳴りをひそめていますが、10年ほど前まではリアルなテロの脅威でした。
※歴史的な経緯や過激派の分裂や停戦など、詳細は
ウィキ先生で。
本当に市民の日常生活に支障をきたすほど活発だったのは、もっと前のこと。
「地下鉄の○○駅に爆薬をしかけた」
匿名でこんな電話が警察に入って、駅や空港が閉鎖されたり、電車が止まったり。
当時は学生でしたが、最初のうちは本当にこわかった。
日本では体験したことのない脅威ですから、あたりまえですよね。
だけど恐ろしいことに、だんだん慣れて・・・いや、麻痺してくる。
電車が止まって大学の講義に遅れても、約束の時間に間に合わなくても、
「またか・・・」
みたいな感覚に。
いま考えると異常ですね。
今トルコや
ベルギーで起きている、市民をターゲットにしたテロ行為とちがう(気がする)のは、
「予告電話がある」
こと、なんだろうなあ。
(ちなみに、テロリストを騙ったいたずら通報も多々あった。迷惑千万。)
時間的に間に合えばだけど、爆発を未然に防げていた。
具体的に駅のどこに、と警察に教えるわけじゃないので、爆発物の発見が間に合わないときもある。
(つまり、実際に爆発が起きることもある。)
そういうときでも、被害に遭う人はあまり多くなかった。
予告を受けて、警察がすでにその駅やお店を封鎖している(客は退去している)確率が高かったから。
彼らのテロはつまり、
「市民生活を不便にする、恐怖と混乱を起こす、警察を愚弄し、疲弊させる」
ことが主目的であった・・・ってこと、なのかもしれません。
とかくと、なんか穏やかに聞こえますが、とんでもない。
長年のテロで大勢の人が亡くなっていますし、社会・経済への打撃も甚大でした。
わたしは
ロンドンでの話をしていますが、ほかの町でも起きていました。
テロリストの地元でもある北アイルランドでは、身内であるがゆえの凄惨な事件も少なくなかった。
(不可避というべきか、
イギリス軍や警察による行きすぎもありました。)
で、今。
ある意味ほんとうにすごいと思うのは、IRAのテロが止んだことだと思う。
あれほど市民生活を脅かしたテロ組織が、政治参加を選んで非合法活動をやめた。
完全に終結したのか、それは知らん。
(どんな組織であれ、主流派がコントロールできない過激派はあると思う。)
疑問も不満も不信も、恨みつらみも矛盾もあるとは思う。
キレイゴトでは済まない難しい問題も多々あるでしょう。
でも、少なくとも今
イギリスで、IRAのテロってほとんど聞かなくなった。
宗教と民族(人種)間対立に根差したテロリズム。
絶対に不可能だといわれていた政治的解決が、なんだかんだそこにある。
すごい、って。
わたしはそう思っています。
もっとも、終わったようで終わってない。
長年
ロンドンを苦しめてきた脅威がひとつ、なんとか取り除かれたと思ったら
「アルカイダが来て、去って、今度はISが・・・?」
イスラム系の過激派。
リアルな脅威は減るどころか、さらに複雑化し、ふかく潜伏し、先鋭化して拡散し続けている。
パリで起きて、ブリュッセルで起きて。
ロンドンがターゲットになっていないはずがなく、事実、去年も事件がありました。
いつ果てるともしれない戦い。
終わる日は来るんだろうか・・・?

もういやだ。
もうやめよう。
それしか言いようがない。
どれだけ人を殺しても、それで政治が変わるわけじゃないのに。
気に食わない人をすべて殺すつもり?
仮に本当にやろうとしても、「西側/欧米諸国」の人間すべてを排除できるわけがないのに。
北風と太陽。
変な連想かもしれないけど、ときどきこの話を思い出します。
暴力的に支配しようとしても、ひとは屈しない。
より頑なになるだけ。
それを知っていたら、テロの不毛さがわかるだろうに。
いや、これ、おかしいか。
テロリストが太陽になれるわけないものね。。。
●なんだか
支離滅裂になってしまいました。
ニュースを見ていたら、いろいろ思い出してしまって。
昔話ばかりですみません。
テロなんかうんざりだ。
もう起きてほしくない。
では、またね。。。