●TBのお題から
「親切な知らない人の思い出」
前にもどこかで、書いたことがあるかもなあ、これ。
(すみません、最近どうにもトシのせいか、気づかずに同じ話を繰り返したりする・・・かも。)
まだ20歳そこそこのコムスメ(あれ?)だったわたしが、ロンドンの大学院に通っていたころの話です。
とある事情で、急にベルリンに行くことになりました。
大昔・・・今では信じられないけど、まだインターネットもケータイも普及してなかったころですよ(笑)。
お金をケチって安いフライトを取ったため、ベルリン郊外の空港に到着したのは夜10時ごろ。
はじめての場所で、はじめての空港で、おまけにドイツ語もできない!
ひとりなのに、地理がわからないどころか、地図もガイドブックも持ってなかった!
・・・今から考えると、あり得ないほどに無知で、無防備だったと思います(汗)。
若気の至りとしか、言いようがない(笑)。
さて、到着ゲートを抜けてから、はたと困りました。
「どうやって、市内のホテルまで行くんだ?」
(ホテルだけはさすがに、あらかじめ予約してました。ベルリン中心部、繁華街の安ホテルです。)
お金がないので、タクシーには乗れない。
市内に向かうバスやなんかの表示は、ほとんどドイツ語ばっかりだったし、仮に英語で説明してもらったとしても、土地勘のまったくないわたしには使いこなせそうにない。
途方に暮れる、というのはこのことです。
下調べしてなかったから、そうなるのも当然なんですけどね・・・(爆)。
旅行というのは、とくにひとり旅の場合は、年齢や経験から来る「知恵」や「機転」の有無が成功の秘訣なんですが、それで行けば当時のわたしには、な~んにもなかったわけです。
(あそびの旅行ではなくて、就職活動の一環だったので、それが「下調べ不足」の要因のひとつでした。)
「危機管理の姿勢がまったくなってない!」
・・・って、今のわたしなら、当時のわたしに言うでしょうねえ。
そのとき背後から、男性の声がしました。
「ダイジョウブデスカ?」
って、日本語でね(笑)。
振り返ってみると、小柄でメガネをかけた白人男性がニコニコしてました。
誠実そうな、地味なサラリーマンという雰囲気で、年齢はわたしより幾らか上くらい。
どうやら日本で働いているドイツ人らしく、日本人らしきわたしがいかにも困った様子なので、できれば助けてあげようと思ったとのこと。
(ちなみに、会話は英語でした。彼の日本語は挨拶程度だった。)
さあ、貴女ならどうしますか?
相手の言うことを信じて助けを乞うか、お断りするか・・・?
実を言うと、このときの自分の心情は、今でもうまく説明できません(笑)。
たしかに若く、相応にバカだったわたしですが、それでも一応ロンドンに暮らしてましたし、その前はアメリカにしばらく住んでいた。
コワイはずの海外にひとりでいる以上、身辺の安全には(日本にいるとき以上に)神経質であったと思います。
(今とちがって、当時はまあ、まちがいなく「若い娘」でしたからね。)
でも、どうしてかなあ。
このときは、この見知らぬ男性を信じることにしたんです(笑)。
カッコよかったとか、そういう理由じゃないですよ?
切羽詰まってたから・・・でも、多分ないと思う。
だけどどういうわけか、彼の親切を受け入れても大丈夫なんじゃないかと、そう判断したのだと思います。
それは、結果的には、正しかった(笑)。
彼と一緒に市街地行きのローカルバスに乗り、言われるままに運賃を払って(ユーロじゃなくてドイツマルクだよ)、教えられたとおりのバス停で降りて、見も知らない深夜の街を歩いて・・・いやもう、なんで無事にホテルに着いたのか、自分でもわからない。
(その彼は、バス停からホテルまでの道順も教えてくれました。)
こんなリスキーなこと、誰にもおススメしません(笑)。
自分でも、今ならこんなことは絶対にしない!(笑)
でも、幸運にもわたしは、知らない人の親切に助けられたわけです。
純粋に、感謝しましたねえ。
・・・で、どうなったか?
事実は小説よりも奇なり、を地で行く展開になりましたよ~。
翌朝、無事にたどり着いたとある企業の説明会で、わたしは彼に再会しましたからね(笑)。
いや、もうね、驚いたのなんのって!
そこで初めてお互いに名乗り、連絡先を交換して友達になりました。
今じゃもうなが~いつきあいの、とっても大事な友人。
彼が(日本人の)奥さんと結婚したときは、友人代表&通訳もつとめました。
(ドラマティックな国際ロマンスを期待した方、ごめんね~!?)
え、信じられないって?
ウソは書いてませんが・・・まあ、聞かされて直ちに信じられることじゃないですよね。
作り話みたいだよね、としか言えません・・・(笑)。
え、その彼が美形だったら違ってたかって・・・?
さてさて、どうだろうなあ(笑)。
そうかもしれないけど、想像しても意味ないし、彼にも好みがありましょう。
彼、いい奴だけど細かいというか、わりとメンドクサイ性格なのよ(笑)。
おまけに、わたしよりも背が低い・・・!
「彼氏」の条件としては微妙かもしれませんが、今になって思えば、彼が威圧感を与える体格でなかったことも、あのとき信じてもいいんじゃないかと思った理由なのかもしれません。
いずれにせよ、変わった出会いもあったものですね。
他者の親切の、もっとも特殊な例であると思っています。
●なんか
長々と書きすぎてしまったので、これで。。。