桜の三春を訪ねて 福島編(その1)

●三春という

小さな町のことを最初に知ったのは、いつだったかなあ。

樹齢1000年を超える、奇跡のような桜の巨木がある―――って。


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いつかはこの目で見てみたいと、ずっと思っていたような気がします。

それから、これはここ数年のことですが。

カメラ雑誌なんぞを購読していると、早春には必ず、シーズンに先駆けて「さくら特集」みたいなものがあるんですよね。

プロの写真家が教える桜撮影のコツとか、穴場的な桜スポットとかの特集記事。

そこにはいつも、「福島」がありました。

姿の良い桜の古木があちこちにあり、周囲の自然も美しく、それもさほど知られてなかったりするので、じっくりと桜と向き合って写真を撮るには絶好の場所だよ、って。

「いつか行ってみたい」

でも、いつでも行けると思うと、なかなか足が向かなかったのね・・・(苦笑)。

で、今回の震災です。

天災の甚大な被害もさることながら、福島県は福島県だけの特殊な問題を抱えてしまった。

まったく落ち度のない、不運な被害者であるのに、謂われない言葉の暴力まで受けているという。

・・・被災地観光にも、これみよがしの復興支援にも食指は動かない、むしろぐうたらで非生産的なわたしですら、これには慄然としました。

義侠心とか、正義感とか、そんなカッコいいもんじゃない。

「いつか行こう」が、明確な目的をもって、今年になっただけ。

―――おりしも、東北は春ですからね。

さあ、福島、行こう!(笑)



●そんなわけで

単純に、ゴールデンウィークの小さな旅の感覚で。

小鳥さんと一緒に、スーツケースをころころ転がしながら旅に出ました。


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東北新幹線(自由席)は、実際のところガラガラ。

震災以降、ずっと変則的な臨時ダイヤで走っていて、指定席の予約も直前まで受けつけられない状態だったので、しかたがないのかもしれませんね。

それでもこの日は、記念すべき日だったと思います。

地震と津波のせいでずいぶんと予定より遅れてしまったけど、この日はじめて、新青森から鹿児島まで、新幹線が全線つながったのですから。

(もっとも東京~福島間は、もう2週間も前から開通していたんですけどね。)

車窓から見た福島は・・・いや、それ以前に埼玉や栃木を通るわけですが、一見どこも何も変わっているようには見えない、穏やかな雰囲気でした。

でも、よく見ると、震災の爪痕がくっきり。

激しい揺れで屋根瓦が損壊・崩落したんでしょう、ブルーシートと砂袋?で応急措置をしてある家屋の多いこと、多いこと。

壊れた石垣や納屋、土蔵などの壁もあちこちにありました。

ほんの一瞬、新幹線で通過するだけでもわかるほど、これだけ建築物が壊れるのだから、どれだけひどい地震だったのか・・・?

恐ろしかっただろうなあ。。。

目に見える被害以外にも、断水や停電など、あったんだろうなあ。

(これは福島に限りませんが、津波で全部さらわれてしまった市町村ではない場合、死傷者や損害が深刻でもそれほどニュースになっていないような気がします。)

ちらりと脳裏を、のん気な観光客でいていいのかしら、という思いがかすめたのは本当です。



●それでも

いったん郡山に着くと、そこはフツーでした(笑)。

明るい駅ビルも新幹線ホームも、ごくごく当然に機能していて、大地震があったなんて思えないくらい。


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ほとんど人がいないのと、「がんばろう」ポスターだけが、地震の影響を連想させました。


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乗り換えた磐越東線は、2両編成のレトロな電車。

押しボタン式のドアも、段差のある昇降口も、整理券の発券機も、わたしにはもの珍しいのにどこか懐かしい感じがしました。

だいたい2時間に3本くらいしか走っていないので、時刻表を頭に叩き込んでおかないと危険―――もっともこれは、他の路線も似たようなもの(震災の影響ではないようです)。

不便といえばたしかに不便ですが、首都圏がフツーじゃないんだろうし、地方ってこういうものなのかもしれないし・・・だからこそ、クルマが主たる移動手段になるんでしょうね。

(それとも逆に、クルマ社会だから鉄道サービスが拡充しないのか、この辺は「鶏が先か、卵が先か」みたいな話かも。)



●三春の駅までは

電車でほんの15分ほど。


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駅の周囲は、満開の桜ばかりでした。

そこからは地元の旅行会社が走らせている「観桜バス」に乗って、5キロほど離れた山里に向かいます。

お天気が良かったのもあって、ぽかぽかと気持ちがいい(笑)。

名残りの梅も、花桃も、桜も全部いっしょに咲いているので、

「だから、三つの春って言うのかもねえ」

・・・なんて思ってしまいました(史実は違うみたいですが)。


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そしてやっと、三春の滝桜です。


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全国にその名を知られる、樹齢1000年の天然記念物。

ご覧のとおり、すでに花の盛りは過ぎていましたが(残念!)、それでもこの迫力です。


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幽玄というか・・・霊気がただよう感じ。

美しいという感想よりも、すげえや、というのが実感でした(笑)。

震災でも無事だった、というよりもこの木はたぶん、今までにも何度も大きな地震を経ているんだろうなあ。


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樹高12メートル、左右に張った枝の大きさ25メートル。

とんでもない巨木ですが、近づいてみると、一重のベニシダレザクラの花がなんとも可憐です。

その意外性が愛おしいですね。

今年は極端に観光客が少ないということですが、もったいない。。。

(ちなみにこのエリア、福島第一原発から50キロちょっと離れています。あたり一面のどかな、牧歌的風景が広がっているこんな場所にも、放射線は飛んできているわけで・・・許せないよ、本当に。)

この次に来る時は、満開の滝桜を見たいですね。



【02/05/2011 06:13】 旅★たべもの | Comments (0)
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藤乃めい

Author:藤乃めい
ロンドン在住の自称☆ヘタレ甘々ほもえろ字書き(兼エッセイ&レビュー書き)。別名=ましゅまろんどん。

2008年秋より、出向で六本木に島流し中。

純愛☆官能大河ドラマ『春を抱いていた』をこよなく、果てしなく愛してます(笑)。岩城さん至上主義。寝ても醒めても岩城京介氏のことしか考えられず、日常生活に支障が出ることもしばしば(爆)。・・・いや、マジで。

常に人生破綻の危機に怯えつつ、今日も愛の溢れる純文学☆ほもえろ道の探求に精進してます(笑)。

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