歌舞伎の小ネタ (中村屋、成田屋)

●まずは

十七世と十八世の中村勘三郎の追善興行から。

十七世の勘三郎というのは、勘九郎七之助のおじいちゃんのこと。

孫たちには「じじんちゃま」などと呼ばれていた、不世出の名優です。

芸の幅が本当にひろくて、なんでも出来た人、という感じ。

十八世というのはもちろん、惜しまれてこのあいだ早世した勘ちゃんのこと。

勘九郎七之助の父親&師匠です。

キレッキレの天才俳優にして、永遠のいたずら小僧みたいなお人柄。

・・・いまだに、彼がいなくなったのを認められない人も多い。

三回忌などと言われても、まさか、冗談でしょう?

という感じです。


勘九郎と七之助 十七世、十八世勘三郎追善公演

勘九郎、七之助、2カ月連続追善公演の動画コメント公開


追善興行は、十月が歌舞伎座。

十一月は新派の公演で、こちらは新橋演舞場で。

(さらに十二月には、一部ではありますが南座の顔見世でも追善の演目があります。)












中村屋の若いふたりの面倒を見るのは、仁左衛門

そして(とくに七之助については)、もちろん玉三郎

指導する立場にあるだけでなく、彼らは勘ちゃんの「親友」です。

うまく言えないし、多分に思い込みもあるとはんだけど。

勘ちゃんが歌舞伎界でいちばん好きで、甘え、信頼してたのが孝夫ちゃんじゃないかと思う。

年齢差はありますが、兄貴分であり、親友だったと思う。

仲間、というか同志なんですよね。

タイプは全然ちがうけど、理想の歌舞伎の方向性が一緒だったんだと思っています。

もともとを辿れば、孝夫ちゃんの若き不遇の日々までさかのぼる。

(歌舞伎の)仕事がなくて、しかたなく上方から東京にやってきた、片岡家の末っ子。

芝居もちがうし、梨園の文化もちがうし、後ろ盾もなく、なかなか役にありつけなかった。

そんな孝夫ちゃんに手を差し伸べ、なにかと便宜を図ってくれたのが勘ちゃんの父親だった。

孝夫ちゃんが上方の家の出でありながら、今にいたるまで江戸歌舞伎の演目をたくさん得意としてるのは、この東京での修業時代あってこそ。

じじんちゃまは、孝夫ちゃんの恩人であり師匠(のひとり)でもある、ということです。

一方で、玉さま。

彼はなんというか、勘ちゃんのソウルメイト的な存在だったんじゃないかと思ってます。

究極の役者バカ、芝居バカ。

ふたりともね。

観念的でほとんど哲学的な演劇の話を、勘ちゃんとできる唯一の人。

どんな小難しい話をしてもわかってくれる、ちゃんとボールが返ってくる。

そういう相手だったのではないかと思います。

(勘ちゃんと玉さまが芝居論をはじめると、多分だれもついていけなかったんじゃ・・・?)

・・・なんて。

わたしがそう思ってるだけ、かもしれないけど(汗)。


早すぎる父親の死。

勘九郎も七之助も、本当に苦労した(している)と思う。

本当につらかった(つらい)と思う。

殊勝な息子たちではあるけど、まだまだ中村屋を背負うには若すぎるものね。

でも、最近ちょっと、見方が変わってきました。

ふたりとも、ここ一年ほどで本当に逞しくなりました。

顔つきがちがう。

今までどこかまだ頼りなくて、大丈夫かな、とハラハラしてた部分があるのですが。

でも、肝が据わって来た。

若すぎようが経験不足だろうが、ほかに代わりはいない。

自分たちがやるしかない。

そんな覚悟が透けて見えるような気がしています。

とくに勘九郎は、ずいぶん大人になったなあと思う。

お父さんが大好きで、憧れで目標で、まだまだ教えてもらってる最中に失ってしまった。

その悔しさや悲しさを、むりに隠さない素直さがいい。

それは一種の強さだと思う。

「父がどれだけ素晴らしい役者だったのか、自分が演じることで伝えたい」

というのは、なかなか言えることじゃない。

良い子の長男で、どこかその真面目さに物足りないものを感じる。

ずっとそう思ってたけど、化けるかもしれない。

もしかして、いけるかもしれない。

そんな気がし始めています。

七之助は、ひと皮剥けた。

まだ若いのに、どっしり構えるふてぶてしさがある。

彼はきっと大丈夫だ。

華やかにしなやかに、独自の道を行くでしょう。

玉さまにはなれないかもしれないけど、それでも彼は「持ってる」。

大丈夫だと思います。

でも、それも、お兄ちゃんが中村屋の重圧を背負ってくれてるから。

(父親の勘三郎と比べられる辛さの大半を、勘九郎が味わってるものね。)

それがわかってるんだろうな。

七之助はきっちり、公の場で兄を必ず立てていてえらいと思うよ。

本当にほんとうに、がんばってほしい。

心から応援しています。





成田屋

海老蔵は相変わらず、走ってますね。

どこに向かってるのかはわからないけど、とにかく疾走し続けてる(笑)。

11月はシンガポールだそうです。

市川海老蔵 シンガポール公演「古典への誘い」、特別公演『源氏物語』のお知らせ

おもしろいこと、どんどんやってほしい。

誰が何をいおうと、成田屋だもんね。


で、こんなアホな記事も>>

市川海老蔵、芸能界イチの“モテ男”はなぜ家庭に身を捧げるようになったのか

あははは。

少なくとも、彼が子供(と奥さん)だいすきなのはホントだよ。

(といいつつ、四六時中こどもたちとつき合ってるとつらくなって途中で逃げ出すあたりも、まあ、フツーのお父さんでは。)

別にいい人のふりをしてるわけでも、我慢し続けてるわけでもないと思う。

(夜遊びだのお酒だの、かなり慎重になってるのはホント。)

個人的に知ってるわけでもないわたしがいうのもおかしいけど、要するに、大人になったんだと思う。

それだけのこと。

お嫁さんもらって、事件おこして大バッシング喰らって。

偉大な存在だった父親を亡くして、こどもを授かって。

天下の成田屋を、自分ひとりで支えなくちゃいけなくって。

(かつての自分に対する)父親の気持ちや、母親の気苦労をはじめて理解した(している)んだと思う。

自分が(奥さんと一緒にいて)幸せだからこそ、夫を亡くした母親の悲しみを思いやったりしてる。

以前のアホな彼からは想像もつかない。

おとなになって、やっとそういう思慮がはたらくようになったんだと思う。

視野が広がった、というか。

彼の年齢を考えれば、「遅いよ!」って思う人もいるかもしれないけど。

でも、気づかないよりはいい。

成長しないよりはいい。

公衆の面前で成長するというのは、公人ならではの試練かもなあ。





●では、

またね。。。

【01/10/2014 03:34】 歌舞伎2013~ | Comments (0)
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藤乃めい

Author:藤乃めい
ロンドン在住の自称☆ヘタレ甘々ほもえろ字書き(兼エッセイ&レビュー書き)。別名=ましゅまろんどん。

2008年秋より、出向で六本木に島流し中。

純愛☆官能大河ドラマ『春を抱いていた』をこよなく、果てしなく愛してます(笑)。岩城さん至上主義。寝ても醒めても岩城京介氏のことしか考えられず、日常生活に支障が出ることもしばしば(爆)。・・・いや、マジで。

常に人生破綻の危機に怯えつつ、今日も愛の溢れる純文学☆ほもえろ道の探求に精進してます(笑)。

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