マタハラ訴訟のあとで

☆二本目です☆




マタハラ・・・

判決は、とても妥当なものでした。

これをね、画期的と言ってはいけない。

“妊娠女性の降格 違法で無効”最高裁が初判断

妊娠降格訴訟、審理差し戻し 最高裁

「マタハラ」判決 事業者に意識改革迫る最高裁

【マタハラ訴訟】最高裁初の判断に反応まっぷたつ この問題を解決しないと何が起こる?

出産・育児は“迷惑”? ~職場のマタニティー・ハラスメント~

妊娠降格 同意なし違法 均等法めぐり初判断


最高裁の判断は、納得のできるものでした。

妊娠や出産を理由に、その労働者の雇用条件を変える場合には、よほどの注意がいる。

「今までみたいにバリバリ働けないんだから、降格も異動もしょうがないよね?」

「・・・はい・・・」

程度では、 “同意があった” とは言えない。

プレッシャーにさらされて、自由に判断できない状態で得られたYESは、YESではない。

そういう意図なのだろうと思います。


でもこの判決、賛否両論なのよね。

女性労働者の権利を守る、そのこと自体に文句をいうひとはあんまりいない。

でも、

「ちょっと待ってよ。そのせいで、わたしの負担が増えるんだけど?」

「妊娠・出産した誰かとわたしで、仕事量に倍くらいの差があるのに、給料は同じっておかしいでしょ」

という同僚の、というか現場の声。

「子供がほしいのは、オマエの自分勝手な都合だろ?」

「オマエの妊娠・出産のせいで会社に迷惑をかけるんだから、少しぐらい雇用条件が悪くなっても文句いうな」

「妊婦だけ優遇されるなんて。独身者やこどもなしの既婚者は、逆に差別を受けてるんじゃないのか」

などなど。

うむむ。


問題は、職場にいくつもある課題が複雑に絡み合っていること、じゃないかしら。

同僚の誰かが妊娠する。

産休や育休をとる。

やがて赤ちゃんを預けて職場復帰する。

そのすべての段階で、つまり何年かの間は、その人は(たぶん)今までどおりには働けない。

もとの労働力が「1」だとしたら、数年間は(平均)「0.5」とかになるわけだ。

その労働力の穴を、誰が埋めるのか。

理想的には、別のひとを雇うなり、派遣社員に来てもらうなりするのがいい。

(前と完全に同じにはいかないだろうけど、まあ、それくらいは許容範囲内として。)

でも、実際には、そういうのってなかなかない。

減った分の労働力を、外から連れてきて補てんするのは、「あたりまえ」ではない。

だから、いきおい、そこにすでにいる他の人にしわ寄せが来る。

これは本来は、雇用者側の問題。

従業員の労働環境をつねに一定に維持する、ととのえる必要があるはず。

しわ寄せが来た他の社員たちは、

「(一時的にせよ)労働力が減ったのだから、その分を補充してください」

と請求するべき。

本来は、いなくなった(あるいは時短勤務になった)女性を恨むのは、筋ちがいなんだよね。

「アンタのせいでわたしの仕事が増えた!」

って、子供を産む女性の責任にするのはおかしい。

のよ。


でも、なあ。

きちんと労働力の総量が一定に、適切に保たれている職場なんて、なかなかない。

「お互いさまなんだから」 

(いつか自分の子供を産む、そのときに周囲にお世話になる)

と同僚同士が思えればいいけど、ことはそう単純でもない。

みんなオーバーワーク気味。

みんな疲れてる。

そういうときに、優遇されてるように見える同僚がいたら、むかつくのもわかる。

心情的には。


まして日本(の多く)は、

労働者の私生活 < 仕事

っていうカルチャーですよね・・・(汗)。

「公」と「私」なら、「公」が優先する。

「私」は後回しになりがち。

ちょっと有給休暇をとるのすら、周囲の視線をはばかる世界。

「いそがしい時だってわかってるのに、子供なんかつくるなよ!」

みたいな考えの人、多いみたいですよね。

「わたしは責任感のある労働者ですので、産休・育休でご迷惑をかけたりはしません」

(=つまり、子供を持ったりなんかしません/子供がほしいなら仕事はやめます。)

と、それが正しいと信じている女性も少なくない。

滅私奉公?

そういう価値観のひとがいてもいいんだけど、でもそれって結局、

「日本の少子化」

をひたすら推し進めることになりますよね。

妊娠や出産にきびしい目をむける、そういうオフィス文化があるのだから。

(そうじゃないところも増えてますが。)

日本ではまだ、キャリアと子育ては両立しない、と考える人がとても多い。

理想の子育ては、お母さんがおうちにずっといること。

―――そういう神話も根強い。

いや、それ自体は、なにもおかしくないと思うの。

わたし自身、専業主婦の母親のもとで育ち、それに感謝しているし。

でも、仕事をつづける女性は、どこか

「母親として失格、不十分」

みたいに言われちゃいかねない、そういう意味ではあやうい神話だとも思います。


今回の判決。

よく考えられていると思うけど、現場はどうするんだろう?

職場の、雇用者の意識改革が要りますね。

それもかなりのレベルで。

むしろ、別の方向に行かないか、そちらが心配です。

妊娠可能年齢の女性が、雇用されにくくなったり?

妊娠→離脱するかもしれないという理由で、責任のあるポジションにつけなかったり?

あるいは、いざというときに降格や減給などの措置を受け入れさせるために、書面にサインでもさせたりして?

うむむ。

雇用者には雇用者の言い分もあるでしょう。

大企業はともかく、中小のところは苦労するだろうと思う。

「理想論もいいけど、それじゃウチがつぶれるよ!」

という人もきっといるでしょう。

それでも、今回のような価値観との妥協点を、どこかで見つけないといけない。

女性が子供を産みにくい職場環境、産ませないプレッシャーは、やっぱりよくないよ。

変わらないといけないんだと、思うしかない。

そうあってほしい。

むずかしいけどね。





●では、

また。。。


【25/10/2014 07:07】 社会・時事ニュース | Comments (0)
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藤乃めい

Author:藤乃めい
ロンドン在住の自称☆ヘタレ甘々ほもえろ字書き(兼エッセイ&レビュー書き)。別名=ましゅまろんどん。

2008年秋より、出向で六本木に島流し中。

純愛☆官能大河ドラマ『春を抱いていた』をこよなく、果てしなく愛してます(笑)。岩城さん至上主義。寝ても醒めても岩城京介氏のことしか考えられず、日常生活に支障が出ることもしばしば(爆)。・・・いや、マジで。

常に人生破綻の危機に怯えつつ、今日も愛の溢れる純文学☆ほもえろ道の探求に精進してます(笑)。

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