さよならパヴァロッティ

●木曜日の朝は

衝撃的なニュースで始まりました。

http://www.lucianopavarotti.com/ (公式サイト)

Opera legend Pavarotti dies at 71

Tenors lead tributes to Pavarotti

Obituary: Luciano Pavarotti

http://news.bbc.co.uk/1/hi/entertainment/6981142.stm

ルチアーノ・パヴァロッティ。誰にも真似のできない、天賦の才を持ったテノール歌手です。・・・でした。

すっかーんと、どこまでも天高く突き抜けるような、朗々と明るいイタリアン・テナーの最高峰でした。曇りのない永遠の少年のような声、黄金のトランペット・・・って言うと変ですけど、でもホントにそんな感じなんですよ。

(黄金のトランペットってのは、本当は、マリオ・デル・モナコという別のテノール歌手に冠された愛称です。いわゆる三大テノールの一世代前の大スターだそうですが、彼を知らないわたしには、「黄金のトランペット」ってのはなぜか、パヴァロッティのことに思えてしまうんですね。)

それが、すい臓がんで、享年71歳。

先月、入院したというニュースをこのブログでご紹介したとき、まさかこんなことになるなんて、想像もしませんでした(とりあえず引退はしてたのですが)。年齢も年齢だし、あの体格だし、体のあちこちにガタが来ているのだろう・・・って、その程度にしか思っていませんでした。

それだけに、ショック。とりたててファンだという意識はなかったので(あまりにも偉大すぎて、そういう感覚はなかったです)、ここまでショックを受けてる自分に、我ながら驚いています。

マスカーニ : 歌劇「カヴァレリア・ルスティナ」 全曲 マスカーニ : 歌劇「カヴァレリア・ルスティナ」 全曲
パバロッティ(ルチアーノ)、ヴァラディ(ユリア) 他 (1997/04/25)
ユニバーサルクラシック

この商品の詳細を見る


3大テノール 世紀の競演 3大テノール 世紀の競演
パバロッティ(ルチアーノ)、カレーラス(ホセ) 他 (1994/09/21)
ユニバーサルクラシック
この商品の詳細を見る

彼の舞台は、東京とロンドンをあわせて、ずいぶん何度も見ました。一時は大変なブーム?になった「三大テノール」のコンサートも、2度ほど足を運びました。(当時はホント、個人的にバブリーだったんだなあ。苦笑。)

いちばん良かったのは、(月並みですが)やっぱりコヴェント・ガーデンで観た「トスカ」でしょうか。彼のお得意のアリアでは、ワールドカップで歌った「誰も寝てはならぬ」(トゥーランドット)が特に有名ですが、わたしはトスカの「星は光りぬ」、すごくいいと思います。






●パヴァロッティってね

歌手としては申し分ないけれど、俳優としては正直、「ちょっと・・・?」なんですよ(笑)。オペラ歌手というのは、まあ理想を言えば、ただ歌えるだけじゃなくて、役柄にちゃんと入っていける・・・つまり、お芝居ができないといけないハズなんですが。

なにしろほら、オペラ=「歌劇」ですものね。歌とお芝居、両方そろってナンボの世界。意図するところは、いわば歌舞伎みたいなものだと思っています。(・・・うう、でもそう思わない人もいるかも。)

いや、芝居が「下手だ」というわけじゃないんです(苦笑)。そうじゃないけど、どんなオペラのどんな役をやっていても、「ああ、パヴァロッティが演じてるなあ」って意識を、観てる側が忘れることはない・・・と、そんな気がします。あくまで私見なので、反対意見もあるかと思いますが。

(対照的に、同じように「超」がつくほど顔が売れていても、たとえばプラシド・ドミンゴは、役に没頭して演じるタイプ。そのせいか「これがあの、かの有名なドミンゴおじさんなんだな~」って、舞台の彼を見ていて感じたことはありません。)

luciano pavarotti the goldern tenor

その点、コンサートでのパヴァロッティは楽しかったです(笑)。すばらしい歌手というだけじゃなくて、一流のエンターテイナーなんですね。いつも、極上の時間を愉しめたと思っています。

パヴァロッティの性格がどうとか、まあ、裏話を少しくらい聞いたことはありますが、正直、わたしには関係のないことでした(笑)。すぐれた芸術家って、どこか非常識な部分があるものだという気がするし、わたしは彼の音楽性に、対価を払う価値があると思っていたので。つまりそれ以外は、求めてませんでした(苦笑)。なんというか・・・彼の人間性について、ジャッジしようとは思いませんしね。

まあ、そんなわけで。

パヴァロッティのいない(オペラの)世界というのは、すごくさびしいです。ひとつ、大きな灯りが消えてしまった感じでしょうか。・・・もう一度どこかで、あの声を生で聴きたかったなあ。

心からご冥福をお祈りします。いつかわたしが天国に行ったら、またそこであの歌声を聞かせてくださいね。
【07/09/2007 00:04】 オペラ・演劇・映画 | Comments (0)
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する
雑想記☆カウンタ
(counting since 3 Dec 2006)
ゆすらうめ☆カレンダー
降順 昇順 年別 プルダウン

11月 | 2023年12月 | 01月
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -
ゆすらうめ☆タグクラウド

プロフィール

藤乃めい

Author:藤乃めい
ロンドン在住の自称☆ヘタレ甘々ほもえろ字書き(兼エッセイ&レビュー書き)。別名=ましゅまろんどん。

2008年秋より、出向で六本木に島流し中。

純愛☆官能大河ドラマ『春を抱いていた』をこよなく、果てしなく愛してます(笑)。岩城さん至上主義。寝ても醒めても岩城京介氏のことしか考えられず、日常生活に支障が出ることもしばしば(爆)。・・・いや、マジで。

常に人生破綻の危機に怯えつつ、今日も愛の溢れる純文学☆ほもえろ道の探求に精進してます(笑)。

ブログ内検索
案内板




『春抱き』を大好きな方なら、どなたでもご自由にお持ち帰りください。リンク用バナーではありませんので、ご連絡不要。直リンクはご遠慮くださいね。