入院生活 その2

●入院ってのは

究極の 「非日常」 だなあ、と思います。

ふだんの生活であたりまえだったことが、まるであたりまえではなくなる。

何の前触れもなく、唐突に、日常がひっくり返る。

人生というか、生活のコントロールを失う。

それはもう、びっくりするぐらい。

ふつうなら絶対にやらない、できない、やってはいけないはずのことを、当然のようにやれと言われる。

プライバシーとか見栄とか、まず真っ先に喪失しますね(笑)。

ふだん、わたしたちがあたりまえだと思っている、常識とか社会通念とか。

そういう価値観ってあくまで、健康な日常生活を送ってることが前提なんだなあ、と。

つくづく感じました。



たとえば、ですよ?

見知らぬ赤の他人の前で、いや。

誰か知ってる人の前なら、もしかしたらなおさら。

がばっとパンツ(ズボン)を脱いで、ぶっとい脚を太ももまで晒す、とか。

(それもまあ、いろいろと・・・ご想像にお任せしますが・・・油断しまくりの状態の。うぎゃあ。)

やらないでしょう、絶対に(笑)。

やりたくない。

やれと言われてもお断りだし、そもそも、誰もそんなもんは見たくないはず(笑)。

「よっぽどのことがない限り、そんなのはありえない!」

わけですよ。

ね、だから。

突如としてそれが必要になる事態というのは、本当に、よっぽどのことなんだよなあ。

・・・と、思います。

今さらながら。



じっさい、

「あうう・・・恥ずかしい・・・足のお手入れ・・・」

とか気にしていたのは、正直にいうと、初めのころだけです(爆)。

女としてそれはどうなんだ?

と言われると、返す言葉もない。

でも、そんな場合じゃなくなってしまうのよね。

それどころじゃねえ。

マジ、そんな悠長なことを気にしてる余裕なんかねえ。

内腿からくるぶしまで真っ赤に腫れあがり、ズキズキ疼き、熱をもってるような状態で。

とにかくもう、痛くていたくて痛くていたくて。

「しぬー、たすけてー」

と(心の中で)喚いているような状況では、取り繕うようなもんはなにもありません。

それどころじゃねえ。

日常生活での常識は、その時点であらかたすっ飛んでいます。

あらかた、というのは。

そうはいっても、別に理性を失っているわけではないから、ね。

最低限のことをする、考えることはできました。

(たぶん。自分で、そう思ってるだけかもしれないけど。)

自分の社会的機能が完全にマヒしたわけではない、と思いたい。

だから、家族や職場に連絡をするとか。

(医師の反対を振り切って)いったん自宅に帰って、入院の準備をするとか。

そういうことができたのだと、思います。



※ちょっと弁明。

即時入院の指示を断ってうちに帰るというのは、もちろん、治療の面ではマイナスです。

よくないことだと思うし、やるべきでもないと思う。

自分の行動を正当化するつもりはありません。

でもあの状況では、実際しかたがなかった・・・と。

先生に申し訳ないとは思うものの、そう判断せざるを得ませんでした。

と、いうのも。

その場で入院したとして、どうする?

ひとり暮らしのわたしには、着替えをもって駆けつけてくれる同居の家族はいない。

実家の両親は高齢だし、距離もかなりあるし、そもそもその当時ちょうど風邪をひいていた。

小鳥さんはわりと近くに住んでいますが、我が家に入ることはできない。

(いちおう言うと、彼女は入院の翌日に、日用品をもって駆けつけてくれました。超感謝。)

もっと根本的なことをいうと、わたしはサイズが大きいのですよ・・・(汗)。

だから、入院してから売店なり近くのスーパーなりで着替えをそろえる、というのも難しいと思ってました。

要は、

「詰んでる」

って感じですね。

それでも、自分が身動きもできない状態なら、誰かに無理を言ったかもしれない。

というか、お願いするしかないよね。

でもその時点ではかろうじて、自分で動けたからなあ。

(自分がいかに重症なのか、認識してなかったせいもあります。今になって思えば。)

そんなこんなが、脳裏を一瞬で駆け巡ったのは本当です。

ヤバい。

でも、自分でやるしかない。

というより、なんだろうなあ。

前提としてひとりの場合、自分でやるのが当然なんですよね。

それがデフォルト。

「誰も助けてくれないなんて、かわいそうに」

と、まあ。

よそ様からは思われるかもしれないけど、あれです。

本人は、世の中そういうものだと考えています。

自分でやるのが基本なので、みじめだとか、あんまり思っていないかも(笑)。



あれれ。

話がそれてしまいました。

なんかわたし、一生懸命じぶんを弁護していますね(汗)。

みっともないので、やめておこう。







●そして

看護師さんたちの話をしよう。

うん。

わたしは医療の現場については、まったくの素人です。

幸いにもこの年まで大きな怪我も病気もなかったので、病院には縁がなかった。

そりゃあ、親族や知人・友人の入院に際して。

見舞いに行ったりしたことはありますが、それはあくまで傍観者ですよね。

だから、看護師さん。

彼女や彼らとの接触も、これまでほとんど経験がありませんでした。

看護師さんについて知ってることといったら、本当に、小説やドラマで見た程度。

ほぼ、知識ゼロです。

ついでに、たぶん先入観もあまりない。



で、ね。

今回の入院で、それはもうたくさんの看護師さんにお世話になった。

自分がサービスを受けるのみならず、彼ら/彼女たちがほかの患者さんに接するのも見た。

たった一週間、されど一週間。

いろいろありましたが、ひとことでいうと、敬服しました。

彼らは凄い。

なんてハードな仕事なんだろうね、ほんと。

肉体的にも、精神的にも、ものすごくプレッシャーのかかる職業だと思う。

彼女たち、彼らのプロフェッショナリズムに、わたしは感嘆しっぱなしでした。

若くて一生懸命で、気持ちのいい人が多かった。

そりゃ性格はいろいろでしょうし、わたしとの相性も多少はあったと思う。

でもみんな、本当によくしてくれました。

決して楽しくはない入院生活を、彼らが快適にしてくれた。

女性がほとんどですが、男性の看護師もちらほら。

誰であっても、いやな思いはほとんどしませんでした。

ひとり、ほっそりきれいめの男の子がいたなあ・・・(笑)。

彼がわたしが好きな某フィギュアスケート選手にそこはかとなく似てたとか、似てないとか。

うは。

ま、それは心にしまっておきます(笑)。



でも、しつこいが、彼らの仕事はハードだ。

特に夜勤なんかものすごい長時間で、こっちが心配になるほど。

「え、まだいるの?」

と思うぐらい長いこと、勤務してるのよね。

たぶん夕方の6時から、翌朝の8時~9時くらいまで彼らはいる。

「休憩がありますから」

とは言ってましたけど、そりゃそうでしょうけど、それでも長いですよね。

「長時間、本当におつかれさまでした!」

なんて、思わずわたしのほうが言ってしまったわ。



勤務時間の長さだけなら、まあ。

わたしも残業すれば、そのぐらいはいくでしょう。

でも、看護師さんはデスクワークではない。

肉体労働プラス専門職というか知能労働なわけで、それであの時間は長い。

集中力、よく途切れないものです。

すげえ。



若い人が多いっていうのは、つまり体力勝負ってことか。

年齢が上がったり家庭を持ったりするにつれ、しんどくなるってことか。

難関資格をとっても離職率が高いのは、つまり仕事がきついからなのか。

長時間労働で、ワーク・ライフ・バランスを保つのが難しいってことか。

お給料がいいというイメージがあるけど、そうでもないってことか。

などなど。

いろいろと考えさせられました。

みんな、本当にプロフェッショナルだった。

献身的に看護をしてくれた。

もし彼女たちがどんどん辞めていくのだとしたら、それはすごい損失だ。

もったいないし、せつなすぎる。

あれだけ頑張って仕事しているのだから、報われますように。

そう祈らずにいられません。







●では、

またね。。。


【05/10/2016 22:12】 雑談☆日々のあれこれ | Comments (0)
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プロフィール

藤乃めい

Author:藤乃めい
ロンドン在住の自称☆ヘタレ甘々ほもえろ字書き(兼エッセイ&レビュー書き)。別名=ましゅまろんどん。

2008年秋より、出向で六本木に島流し中。

純愛☆官能大河ドラマ『春を抱いていた』をこよなく、果てしなく愛してます(笑)。岩城さん至上主義。寝ても醒めても岩城京介氏のことしか考えられず、日常生活に支障が出ることもしばしば(爆)。・・・いや、マジで。

常に人生破綻の危機に怯えつつ、今日も愛の溢れる純文学☆ほもえろ道の探求に精進してます(笑)。

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