しどけなく横たわる、眩しいほどの

●TBのお題から

「本をジャケ買いしたことありますか?」

・・・うぐぐ~、「ジャケ買い」の意味がわからずに(想像はつくけど自信はない)、念のためググってしまいましたよ~(笑)。で、「書籍やCDなどの作家/アーティストについて何も知らずに、純粋にジャケットのデザインに惹かれて買ってしまうこと」、なんだって。

そうですねえ、雑誌やガイドブックならけっこうジャケ(表紙)買いしちゃいますが、でも、あれは表紙にいろいろ情報というか、中身に関するヒントが詰まってるんですよね(笑)。先日ご紹介したコレなんて、まさに表紙の写真の豪華さに目が眩んで、うっかり買っちゃったもん(笑)>>

CREA TRAVELLER (クレア トラベラー) 2008年 10月号 [雑誌]CREA TRAVELLER (クレア トラベラー) 2008年 10月号 [雑誌]
(2008/09/01)
不明

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そういえば、マンガはあんまりジャケ買いしないですね(笑)。昔はわりと手当たり次第だったように思いますが、今は少数精鋭派?

絵柄の好き嫌いがわりとハッキリしてるので、そしてそれ以上に、中身(クオリティ)に関して相当なこだわりがあるので、表紙のイラスト「だけ」じゃめったに心を動かされない、というのがいちばんの理由。で、同時に、ネット通販が超☆基本で、本当にめったに本屋さんに足を運ばないというのが、隠れたもうひとつの理由かなあ。要するに、ぶらぶら書棚を見ていて、「あ、これ、いいな」って思う・・・という機会がないんですね(笑)。

(な~んて書くと、衝動買いはしない賢い主婦みたいですが、そんなことは全然ありません。むしろ、ネットで要らないものまでうっかり買ってしまう、テキトーな浪費傾向があります。。。)

で、逆にわたしがふと思いついた、最もジャケ買い「されそうにない」表紙といえば(笑)>>

見つめていたい (花音コミックス)見つめていたい (花音コミックス)
(2004/06/29)
西田 東

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す、すみません・・・(爆)。

もちろん、西田東さんは大好きですよ(笑)。おまけに、このコミックスはかなり好きです、ええ、ホントに。思いがけない切なさに溢れていて、彼女の作品の中でもお気に入りのひとつです。

で、でも・・・!

少女マンガ(の派生であるはずのBLマンガ)の表紙として、これはかなり異端ではないか、と思います(苦笑)。最初に見たときは、正直のけぞりました(爆)。(おまけに、つけられているタイトルの英訳もかなりコワい。)

だって、若くもハンサムでもない、グレーの背広(=スーツとかジャケットとかいう横文字がすでに似合わない感じ)を着たくたびれた中年サラリーマンが、かなり剣呑な視線で、陰険メガネ越しにこっちを睨んでるんですよ?(笑)

地味というより、愛想なさすぎ。というか、コワすぎ(笑)。

ある意味、百花繚乱のBLコーナー(平積みのコミックスたちの中)でひどく目立つと思いますが、それも、あんまり誉められた理由ではないと思います(苦笑)。もちろん、この作家の名前も中身も知らず、ただこの表紙だけを見たら、ということですが。

「な、何コレ? オッサン向けの本じゃないの、コレ。置く場所まちがえてるんじゃ・・・って、ええっ、花音コミックス!? ってことは、これは間違いなくBLってこと? こ、このオッサンが主役のBLって、いったい・・・!?」

(脳内ではおそらく、このオッサンが別の男性と××する、あり得ないさぶ画像が・・・!)

「ひょえ~!」(爆)

強烈なインパクトにたじろぎ、謎が謎を呼び、なぜか気になって目が放せず、コワいもの見たさでついうっかり手に取る腐女子が、どのくらいいるのか・・・?(笑)

・・・あれれ?

ってことは、案外、ジャケ買いを誘発するイラストってことですね(爆)。さ、さすがだ・・・あなどれないぜ、山口課長!







●もうひとつ

ジャケ買いしたコレ、読みました(笑)。

怖い絵怖い絵
(2007/07/18)
中野京子

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要するにこれは、いわゆる「名画」にまつわる逸話や時代背景、絵画から読み取れる登場人物の感情や人間関係などを、ゆる~いエッセイに仕立てたものです。雑学、おしゃべり、そんな感じで気楽に読めるのがポイントですね。

実際けっこう面白いし、ひとつの絵についてほんの10ページ程度にまとめているので、こま切れの時間を利用した片手間の読書には最適です(笑)。

おもしろかったのは、筆者が絵から受ける印象と、わたしの受ける印象が違っているとき。どっちが正しいなんてありませんが、「なるほど、そういう見方もあるのか~」と、自分にはない視点での解釈が新鮮でした。

たとえば、コレですが>>

giorgione 1  giorgione 2

どちらもイタリアの画家ジョルジョーネの名作です。春の草むらにしどけなく横たわる美しいヴィーナスと、残酷なまでに写実的な老婆の肖像。

「怖い絵」の筆者はこの2枚の絵を比べて、ルネッサンス時代の若さを賛美し、老いを醜悪なものとして忌避する価値観について書いているんですが、さて。彼女の説明にはおおむね納得できるし、ある意味(美術も含めて、歴史が基本的に男性視点で語られることを考えれば)、性愛の対象になる若い女性を賛美し、そうでなくなった女性を貶める・・・ってのは、「さもありなん」なんですが。

だけど、彼女がいうように、「美女はそれぞれに美女だが、老女はみな同じ」だと、この2枚の絵を見て思うかな?

筆者の主張とは反対に、わたしにはこの老女のほうがずっと個性があり、人格があり、人間としての厚み・深み(というか闇?)があるように思えるんですね(立派な人格者に見える、という意味ではないです)。

かつては若く美しく、それなりに誉めそやされたであろう女が、今は闇にたたずみ、貧しく外見にも気をつかわなくなり、まるで世間の視線を恐れるような、不安と猜疑心に満ちた眼差しで、じっとこちらを見返しているでしょう? あんまり性格がよさそうには見えないけど、でもなんだか、彼女の性格や価値観や、あるいは声までも想像できるような、そんなリアルさがありませんか?

それに引き比べて、ヴィーナスのほうがずっと画一的、類型的に見えるんですよね(笑)。

美しい裸体であるのは間違いないけど、でも彼女の個性、性格、価値観は見えてこない。つうか、これを書いた画家にとっても、それを依頼した人や鑑賞者にとっても、彼女は「裸で誘惑する若い美女」であれば(要するに「やらせてくれそう」なら)それで十分で、彼女の人格なんかどうでもいいんだと思います(笑)。

と、そんなわけで、筆者と自分の感覚のちがいも、この本を読む面白さではないかと思います。知らなかった名画に出会う楽しみもあるので、ご興味のある方は、ぜひ読んでみてくださいね。

【29/10/2008 18:39】 写真☆カメラ | Comments (0)
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プロフィール

藤乃めい

Author:藤乃めい
ロンドン在住の自称☆ヘタレ甘々ほもえろ字書き(兼エッセイ&レビュー書き)。別名=ましゅまろんどん。

2008年秋より、出向で六本木に島流し中。

純愛☆官能大河ドラマ『春を抱いていた』をこよなく、果てしなく愛してます(笑)。岩城さん至上主義。寝ても醒めても岩城京介氏のことしか考えられず、日常生活に支障が出ることもしばしば(爆)。・・・いや、マジで。

常に人生破綻の危機に怯えつつ、今日も愛の溢れる純文学☆ほもえろ道の探求に精進してます(笑)。

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